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こんばんは、ひろしです。

今日は、カルボナーラのチーズの話です。

その前に、ひとつだけ。

日本では、生クリームを入れないカルボナーラに、わざわざ「ローマ風」とつきます。

でも、いまのローマでカルボナーラと言えば、そっちのほうです。

知っている人には、「そうだよね」の話かもしれません。

知らなかった人には、「へえ」の話かもしれません。

結論から言うと。

カルボナーラのチーズは、ペコリーノ・ロマーノ。

家なら、パルミジャーノ・レッジャーノと半々でもいい。

粉チーズで作るなら、できれば、ペコリーノやパルミジャーノ・レッジャーノの粉を。

そして、生クリームは入れずに、卵とチーズで仕上げます。

説明していきます。

カルボナーラのチーズ、これ1枚で結論。チーズはペコリーノ・ロマーノ(羊のミルク)。家ならパルミジャーノ・レッジャーノと半々でもいい。粉なら、ペコリーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、グラナ・パダーノの粉を。入れどころは2回、卵に混ぜる分と、仕上げにかける分。生クリームは入れない、卵とチーズで仕上げる。日本では、本来のほうに「ローマ風」とつく。各段に水彩の小さな絵つき
カルボナーラのチーズ、これ1枚で。

途中の「寄り道」は、たたんであります。気になったところだけ、開いてみてください。

カルボナーラのチーズは、ペコリーノ|パルミジャーノと半々でも、粉でも

カルボナーラは、卵とチーズで、味が決まる料理です。

だから、チーズ次第で、味が全然かわります。

カルボナーラのチーズ、どれにする? 羊のペコリーノ・ロマーノは、塩気があって少しピリッと、名前は「ローマの」、いまは9割以上がサルデーニャ。牛のパルミジャーノ・レッジャーノは熟成12か月から、家ならペコリーノと半々でも。牛のグラナ・パダーノは熟成9か月から、産地が広く値段は控えめ。緑の筒の粉チーズは、アメリカで作られたパルメザン、これでカルボナーラを作ったことはない、たぶん作れる、できれば上の3つの粉を。チーズ次第で、味が全然かわる。各段にチーズの水彩
カルボナーラのチーズ、どれにする? チーズ次第で、味が全然かわる。

ペコリーノ・ロマーノ

家でカルボナーラを作るとき、僕が使うのは、ペコリーノ・ロマーノです。

羊のミルクで作るチーズ。

名前の「ロマーノ」は、「ローマの」という意味です。いまは、9割以上がサルデーニャ島で作られています。

塩気があって、少しピリッとする。独特のクセもあります。

カルボナーラも、ローマの料理です。

パルミジャーノ・レッジャーノと、半々でも

パルミジャーノ・レッジャーノと半々にしても、いいと思います。

家で作るなら、ペコリーノとパルミジャーノは、入れ替えても大丈夫。

イタリアの国語辞典にも、カルボナーラのチーズは「ペコリーノか、パルミジャーノ」とあります。

(店で出すなら、話は別です。この2つは、味わいが別物なので。)

そういえば、昔の僕のノートにも、カルボナーラのチーズの欄に、ペコリーノとパルミジャーノが並んでいました。

そのノートの話は、このあとで。

粉チーズで作るなら

緑の筒に入った粉チーズで、カルボナーラを作ったことは、ありません。

たぶん、作れると思います。

でも、できれば、ペコリーノの粉や、パルミジャーノ・レッジャーノの粉を。

グラナ・パダーノでもいいので、使ったほうがいい。

チーズと卵で、味が決まる料理なので。

グラナ・パダーノは、パルミジャーノ・レッジャーノと同じ、牛の乳のチーズです。産地がずっと広くて、熟成は9か月から(パルミジャーノは12か月から)。値段は、グラナのほうが控えめです。

ちなみに、緑の筒の粉チーズは、アメリカで作られたパルメザンチーズ。イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノとは、産地も決まりもちがう、別のチーズです。

チーズの入れ方と、買い方

チーズを入れるのは、2回

僕はふだん量らないけれど、目安は1人前20gくらい。

ペコリーノ・ロマーノの協会のレシピは、4人前でチーズ80gです。

入れるのは、2回です。

  • 卵に混ぜておく分
  • 仕上げに、上からかける分

チーズは、できれば塊で買って、使う直前に削る。それだけで、香りがちがいます。

家で使うチーズは、地元の、いろいろ揃っている業務用スーパーのような店で買っています。

チーズの種類や、ペコリーノとパルミジャーノのちがいは、チーズの記事にくわしく書きました。

本来のほうに、「ローマ風」とつく|ダビデに聞かれたこと

ダビデに会うまで、僕は、カルボナーラに疑問を持ったことがありませんでした。

生クリームが入る。きのこが入る。ベーコンが入る。

それが、僕の知っているカルボナーラでした。

おいしいし。

ダビデは、ローマ出身のシェフです。富山で、一緒に働いていました。

そのダビデに、聞かれたことがあります。

「なんで日本人は、カルボナーラに生クリームを入れるんだい?」

うまく、答えられませんでした。

歌いながらフライパンを振るシェフの後ろ姿の水彩イラスト
ローマ出身のシェフ、ダビデ。

ダビデのカルボナーラには、生クリームが入りません。

カルボナーラは、肉体労働の人たちが食べてきた料理。だから、力がわくように、卵とチーズだけで仕上げる。

それが、ダビデの考えでした。

名前のほうは、ずっと「炭鉱で働く人の料理」だと思っていました。

でも、イタリア語の「カルボナーロ」は、山で木から炭を焼く人や、炭を売る人のこと。石炭を掘る人では、ありませんでした。

名前の由来には、いくつも説があって、イタリアでも分かっていないそうです。

肉も、ベーコンではなく、グアンチャーレを使わないと、と言われました。豚のほほ肉の塩漬けです。

パンチェッタは知っていましたが、グアンチャーレは、当時の日本では特殊なものでした。

いまは、日本でも手に入ります。

生クリームを入れないと知って、びっくりしました。

作ってみたら、おいしかった。

本来のほうに「ローマ風」とつく。いまのローマでは、カルボナーラと言えば卵・ペコリーノ・ロマーノ・グアンチャーレ・黒胡椒で、生クリームは入れない。日本では、生クリーム入りも多く(ベーコン・きのこも)、生クリームなしのほうに「ローマ風」とつけたメニューや商品もある。ダビデなら、日本のほうを「カルボナーラ日本風」と呼ぶはず。2つの皿の水彩つき
本来のほうに、「ローマ風」とつく。

イタリアの料理には、土地の名前がつくものが、たくさんあります。

カルボナーラは、ローマの料理です。

いまのローマでカルボナーラと言えば、生クリームを入れない、この形。

ところが日本では、その形のほうに、わざわざ「ローマ風」とつけたメニューや商品があります。

本来のほうに、肩書きがつく。ちょっと不思議な逆転です。

それくらい、生クリームやきのこの入るカルボナーラのほうが、広まっているんだと思います。

いまは、ローマ風のカルボナーラを知っている人も、多いと思いますが。

ひろし

ダビデやったら、日本のほうを「カルボナーラ日本風」って言うと思うわ。

でも、生クリームの入ったカルボナーラが、料理としてまちがい、というわけではありません。

おいしいし、日本で広く愛されてきた料理です。

カルボナーラと名乗っていいのかは、僕には、分かりませんが。

寄り道カルボナーラは、いつからこの形?タップで開きます

名前が出てくる、いちばん古い記録は1939年。ローマの下町の店の名物として、新聞に名前だけが載っていました。2026年の2月に見つかったばかりの記事です。

作り方が書かれた、いちばん古い記録は1952年。それも、イタリアではなく、フランスの新聞と、アメリカ・シカゴの本でした。

イタリアの料理雑誌に初めて載ったのは、1954年。パンチェッタに、スイスのグリュイエールチーズ、ニンニク入りでした。

1960年代のイタリアの有名な料理の本には、生クリーム入りのカルボナーラも載っています。

いまのローマでは、生クリームは入れません。この形が当たり前になったのは、そのあとのことです。

生クリーム入りがまちがいではない、というのは、歴史からも言えそうです。

カルボナーラは、いつからこの形? 1939年、名前だけの記録(ローマの下町の店の名物として、新聞に名前だけが載った。2026年2月に見つかった記事)。1952年、作り方の記録(フランスの新聞と、アメリカ・シカゴの本)。1954年、イタリアの料理雑誌(パンチェッタ、スイスのグリュイエールチーズ、ニンニク入り)。1960年代、イタリアの有名な料理の本に、生クリーム入りのカルボナーラも。いま、ローマでは生クリームは入れない。年の間隔は、図ではそろえてある。生クリーム入りがまちがいではないというのは、歴史からも言えそう
カルボナーラは、いつからこの形? 記録に残っている年を、順に。

カルボナーラは、1960年代には、もう日本で紹介されていたそうです。

カルボナーラのような白いパスタが広く知られるようになったのは、「イタめし」のころから。そのことは、トマトの記事に書きました。

生クリーム入りが、いつから「ふつう」になったのかは、はっきりした記録がないそうです。

― いちばん、伝えたいこと ―

日本で「ローマ風」という肩書きがついているカルボナーラこそが、本来の、ほんとうのカルボナーラです。

僕は、そう思っています。

ナポリピッツァの店では、カルボナーラが2本立てだった

そのあと、僕は、北陸のナポリピッツァの店に勤めました。

売りは、オーダー式のブッフェ。注文が入ってから、パスタを作ります。

とにかく、忙しい店でした。

忙しすぎて、ふだんのブッフェでは、ローマ風は作れない。

だから、ふだんのカルボナーラは、卵とチーズと生クリームを合わせて仕込んだソースで、回していました。

ひろし

そのソースも、チーズの味がして、それはそれで全然おいしかったんよ。

のちに、限定のメニューを始めました。

ブッフェの料金に、1品ぶんを足して頼める料理です。「その日のスペシャリテ」と呼んでいました。

牛肉のステーキや、イベリコ豚のロースト。原価も手間もかかって、ふだんの流れでは回せない料理。

その中に、いわゆるローマ風のカルボナーラも、入れました。

ナポリピッツァの店の「その日のスペシャリテ」で出した、生クリームを入れないローマ風のカルボナーラ。白い皿のスパゲッティに、削ったチーズと黒胡椒
ナポリピッツァの店の「その日のスペシャリテ」で出した、ローマ風カルボナーラ(2011年6月)。

ふだんは、生クリームの入ったカルボナーラ。

限定の特別な一皿が、ローマの形のカルボナーラ。

メニューの名前も、そのまま「ローマ風カルボナーラ」でした。

日本で、本来のほうに「ローマ風」とつく。同じことが、僕の働いていた店の中でも、起きていたんです。

でも、どちらかがまちがい、という話ではありません。

たくさんの人に、速く出すためのソース。

一皿ずつ、手間をかけて出す、限定の一皿。

役割が、ちがったんです。

ナポリピッツァの店のカルボナーラは2本立て。ふだん(オーダー式のブッフェ)は、卵とチーズと生クリームを合わせた仕込みのソースで、注文が重なっても速く出せる。その日のスペシャリテ(限定)は、いわゆるローマ風(生クリームなし)で、ブッフェの料金に1品ぶん足して頼め、ステーキやイベリコ豚のローストと並んでいた。どちらも、まちがいではない。役割がちがう。水彩つき
ナポリピッツァの店のカルボナーラは、2本立て。役割がちがう。

ノートの「生クリーム」に、×|たぶん、ラ・スカーラのメモ

僕のノートに、こんなページがあります。

手書きのノートのカルボナーラのページ。全卵、パンチェッタ、胡椒、塩、チーズ(ペコリーノ・パルミジャーノ)。いちばん下の Panna(生クリーム)に×
ノートの、カルボナーラのページ。

carbonara。

全卵。パンチェッタ。胡椒。塩。

チーズは、ペコリーノとパルミジャーノ。

そして、いちばん下の「Panna(パンナ)」、生クリームに、×。

ラ・スカーラで、カルボナーラを食べたときのメモだと思います。

ラ・スカーラは、ナポリピッツァの店にいたころ、月に一度、通わせてもらっていた新潟のリストランテです。

正直に言うと、ちゃんとは覚えていません。

生クリームが入っていないことを強調したくて、×を書いたのかな。

ローマで食べた、カルボナーラの仲間|麺とソースは、セット

2017年の9月、イタリアに行きました。

ローマで食べたパスタの写真が、何枚か残っています。

ローマの店のリガトーニ・アッラ・グリーチャ。金属の皿に、削ったチーズをかけたリガトーニとグアンチャーレ
リガトーニ・アッラ・グリーチャ。2017年9月、ローマで。

リガトーニ・アッラ・グリーチャ。

グアンチャーレを使う、ローマのパスタです。ローマのあるラツィオ州の、伝統的な食べもののリストにも載っています。

ひろし

グリーチャ、めっちゃ美味しかった。

もう一軒は、ローマの道沿いの店。

大きなペコリーノの塊のくぼみに、ゆでたてのブカティーニを入れて、目の前で和えていました。

ローマの道沿いの店。大きなペコリーノの塊のくぼみの中で、ゆでたてのパスタを和えている
大きなペコリーノの塊の中で、パスタを和える。2017年9月、ローマで。
白い皿に盛ったブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナ。トマトのソースをからめた太い麺
塊の中で仕上げた、ブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナ。

ブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナ。

トマトのソースに、グアンチャーレ。

ダビデは、「麺とソースはセット」という考えの人でした。

アマトリチャーナなら、ブカティーニ。グリーチャなら、リガトーニ。

その考え方も、すごく大事だと思っています。

ちなみに、アマトリチャーナの生まれた町、アマトリーチェでは、スパゲッティで作るそうです。

麺とソースのセットは、土地ごとにある、ということなのかもしれません。

寄り道グリーチャは、「ギリシャ風」じゃなかったタップで開きます

ずっと、グリーチャは「ギリシャ風」のことだと思っていました。

ナポリピッツァの店でも、そう呼んでいました。

ダビデのローマなまりだと、「グリーシャ」と聞こえる。

グリーシャ、ギリシャ。そう思い込んでいたんです。

調べたら、ちがいました。

「ギリシャ風」は、イタリア語では「アッラ・グレーカ(alla greca)」。グリーチャとは、別の言葉です。

グリーチャの名前の由来には、2つの説があります。

ひとつは、アマトリーチェの近く、アックーモリという村の、グリシャーノという集落の名前から、という説。羊飼いたちの料理だった、と言われています。

もうひとつは、15世紀ごろのローマで、パン屋をしていた人たちが「グリーチ」と呼ばれていた、という説。スイスのグラウビュンデンから来た人たちで、灰色の前かけをしていたそうです。

どちらも、決め手はありません。

知ったときは、「そうなの⁉ 今まで勘違いしてた!」でした。

日本では、店の個性があっていい|ワイナリーのころのカルボナーラ

ナポリピッツァの店のあと、島根のワイナリーのレストランで、料理を作っていました。

そのころの写真にも、カルボナーラが何度か出てきます。

自分で仕込んだパンチェッタ

自分で仕込んだパンチェッタの塊。赤身と脂が何層にも重なっている
自分で仕込んだパンチェッタ(2020年2月)。

パンチェッタは、ナポリピッツァの店にいたころから、自分で仕込むようになりました。

いまも、家のカルボナーラには、自分で作ったパンチェッタを使っています。

ピスタチオを、のせて

黒い器に盛ったカルボナーラ。上に、削ったチーズと刻んだピスタチオ
上に、ピスタチオ。ワイナリーのころのカルボナーラ(2020年4月)。

上にのせたのは、友人のルーチョさんの店のピスタチオです。

ルーチョさんは、シチリアの食材を、日本に輸入している人。

写真の日付は、2020年4月6日。

4月6日は、イタリアでは「カルボナーラの日」。たしか、それを何かで知って作ったんだと思います。

そのレストランは、2日後の4月8日に閉めました。出したのは、たぶん6日と7日だけ。

食べた人は、だいぶ少ないかもしれません。

ひろし

幻のパスタになってしまってるわ。

冷たいカルボナーラ

白い深皿に盛った冷製のカルボナーラ。細いパスタの上に、削ったチーズ
冷製のカルボナーラ(2017年2月、試食会で)。

冷製のカルボナーラを、作ったこともあります。

日本では、店の個性があってもいい。

僕は、そう思っています。

ひろし

ローマの人は、怒るかもしれんけど(笑)。カルボナーラは、おいしいからね。

僕の家のカルボナーラ|1人分の材料と作り方

では、家ではどう作っているか。

僕の家のカルボナーラ(1人分)

  • 全卵:1個
  • パスタ:80〜90g(スパゲッティ。タリアテッレのときも)
  • グアンチャーレかパンチェッタ(売っているパンチェッタで大丈夫)
  • チーズ:ペコリーノ・ロマーノ 20gくらい(パルミジャーノ・レッジャーノと半々でも)
  • 黒胡椒
  • オリーブオイル、ニンニク
  • 白ワイン(または、パスタのゆで汁)

僕はふだん量らないけれど、目安は1人前20gくらい。ペコリーノ・ロマーノの協会のレシピは、4人前でチーズ80gです。卵に混ぜる分と、仕上げにかける分があります。

卵のこと

カルボナーラの卵は、火が入りきらないことがあります。

  • 冷蔵庫で保存した、賞味期限内の、ひびのない卵を
  • 割ったら、すぐに使う
  • 日本の卵の賞味期限は、「生で食べられる期限」です
  • 小さな子どもやお年寄りには、しっかり火の入った料理のほうが安心です

卵は、黄身だけで作る人もいれば、全卵で作る人もいます。ローマでも、店や家によってちがうそうです。

僕は家では、全卵を1人1個くらい。それで、いいと思います。

ラ・スカーラのシェフも、「全卵1個で、1人前」と話していました。

肉は、パンチェッタ。ふつうの家なら、売っているパンチェッタでいいと思います。

僕も、修行を始めたばかりのころは、スーパーのブロックベーコンで作っていました。

グアンチャーレも、いまは通販で買えます。

寄り道グアンチャーレ、パンチェッタ、ベーコンは、何がちがう?タップで開きます

グアンチャーレは、豚のほほ肉。パンチェッタは、豚のバラ肉。どちらも塩で漬けて熟成させたもので、ふつうは燻製しません。

日本のベーコンは、決まりで「燻製したもの」。この燻製の香りが、いちばんのちがいです。

ちなみに「グアンチャーレ」という言葉には、イタリア語で「枕」という意味もあります。ほほをのせるから。

イタリアでも、カルボナーラにパンチェッタを使う人はいるそうです。

日本でも、ほほから首のあたりの脂の多い肉を、「豚トロ」として食べます。でも、塩漬けにすることは、あまりありません。

作り方

僕の家のカルボナーラ(1人分)。材料は全卵1個、パスタ80〜90g(スパゲッティ・タリアテッレ)、グアンチャーレかパンチェッタ、ペコリーノ20gくらい(パルミジャーノと半々でも)、黒胡椒、オリーブオイル・ニンニク、白ワイン(または、ゆで汁)。①ボウルに卵を割って、チーズと黒胡椒を混ぜておく。②弱火で、オリーブオイルとニンニク、色づいたらニンニクを出す。③強火で、グアンチャーレかパンチェッタを外はカリッと。④焦げる前に、白ワインかゆで汁で止める。⑤少し早めに上げたパスタを、ゆで汁多めで合わせる。⑥卵のボウルに移して混ぜる。甘ければ、火か湯せんで。上からチーズと黒胡椒。卵はボウルで合わせる(ダビデ流)。これは僕の家のやり方で、カルボナーラに「正式なレシピ」はない。変わらないのは、生クリームを入れず、卵とチーズで仕上げること。手順ごとに水彩の絵つき
僕の家のカルボナーラ(1人分)。生クリームは入れず、卵とチーズで仕上げる。
  1. ボウルに卵を割って、チーズと黒胡椒を入れ、混ぜておく。
  2. ソテーパンに、オリーブオイルとニンニク。弱火で、いわゆるアーリオ・オーリオ。ニンニクが色づいたら、取り出します(取り出すのは、あとでもかまいません。ここでは、説明しやすいように先に出しています)。
  3. 強火にして、グアンチャーレかパンチェッタを炒める。外は、カリッと香ばしく。弱火でやると、中がスカスカになります。
  4. 火が入ったら、焦げる前に止める。火から外しただけでは止まらないので、白ワインか、ゆで汁を入れて止めます。それ以上、パンチェッタに火が入らないように。
  5. ゆでたパスタを、ゆで汁を多めにして、ソテーパンで合わせる。パスタは、少し早めに上げておきます。和えるときに、まだ火が入るから。
  6. それを、卵とチーズのボウルへ移して、混ぜる。ここは、ダビデ流です。
  7. 火の通りが甘いときは、火にかけることもあります。パスタをゆでていた鍋の湯の上に、ボウルのままのせて、火を入れながら仕上げることも。どれにするかは、入り具合しだいです。
  8. 最後に、上からもチーズと黒胡椒を。

合わせ方は、いまも、いろいろ試しています。

寄り道卵と合わせるとき、火にかける? かけない?タップで開きます

カルボナーラでいちばん気をつかうのは、卵に火を入れすぎないこと。仕上げ方は、人によってちがいます。

  • ダビデ:ソテーパンで、麺とグアンチャーレを合わせてから、卵のボウルへ移して和える。僕の記憶では、火にはかけていませんでした。卵は、たしか1人前に全卵1個と卵黄1個。
  • ラ・スカーラのシェフ:鍋を少し冷ましてから、火にかけながら仕上げていました。「鍋が熱いと、卵液が固まる」。
  • ペコリーノ・ロマーノの協会のレシピ:卵とチーズのボウルに、ゆでたての熱いパスタを入れて和える。火にはかけません。
  • 僕の家:ダビデと同じく、ボウルで。火の通りが甘いときは、火にかけるか、パスタをゆでた鍋の湯の上で。

どれも、卵に火を入れすぎないための工夫です。

カルボナーラに、正式なレシピはない

ここまで書いておいて、なんですが。

これは、僕の家のやり方です。

ニンニクとオリーブオイルから始めるのも、白ワインで止めるのも、パンチェッタを使うのも、僕の手順。ローマの決まり、というわけではありません。

そもそも、カルボナーラには、国やEUが決めた「正式なレシピ」がありません(同じローマの仲間のアマトリチャーナは、2020年にEUの登録を受けていますが)。

ニンニクは、入れない人が多いそうです。ただ、イタリア料理アカデミーという団体が載せていた「ローマ風」のレシピには、ニンニクを炒めて取り出す作り方もありました。

ペコリーノ・ロマーノの協会が載せているレシピも、パンチェッタとオリーブオイルを使っています。

変わらないのは、生クリームを入れずに、卵とチーズで仕上げるところ。

細かいところは、家や店で、それぞれでいいと思います。

カルボナーラは、いっぱい失敗してきた

ひろし

カルボナーラは、いっぱい失敗してきた。

どれも、1回ずつくらいです。

そこから、学んできました。

カルボナーラで、失敗したこと。卵がボロボロ:火が入りすぎ、いまは卵はボウルで合わせて、甘いときだけ火か湯せんで仕上げる。湯せんで麺が伸びた:時間を計算しなかった、湯せんは弱火より時間がかかるので、そのぶんを計算に入れる。パンチェッタがスカスカ:弱火で温めた(アマトリチャーナのとき)、強火で外をカリッと、焦げる前に白ワインかゆで汁で止める。どれも1回ずつくらい、そこから学んできた。水彩つき
カルボナーラで、失敗したこと。

卵が、ボロボロに

火が入りすぎて、卵がボロボロになりました。

ラ・スカーラのシェフは、こう話していました。

「最初は、心配しなくていい。冷たい卵は、いくら混ぜても固まらない」

ある温度までいかないと、卵は固まらない。鍋の下が当たってきたな、と思ったら、様子を見ながら火から離す。

いまは、卵はボウルで合わせて、火の通りが甘いときだけ、火にかけるか、湯せんで仕上げています。

湯せんで、麺が伸びた

ふわっと仕上げたくて、湯せんで合わせたことがあります。パスタをゆでた鍋の上で、合わせるやり方です。

ふわっとは、なる。そのかわり、弱火より時間がかかる。

その時間を計算に入れずに、パスタをゆで上げてしまって、麺が伸びました。

湯せんで仕上げることは、いまもあります。

パンチェッタが、スカスカに

パンチェッタを、弱火で温めてしまったことがあります。

油には、味がすごく出ました。でも、パンチェッタ自体は、スカスカ。

これは正確には、アマトリチャーナを作ったときの話です。パンチェッタの火の入れ方は同じなので、ここに書いておきます。

いまは、強火で外をカリッと。焦げる前に、白ワインか、ゆで汁で止めます。

この記事で紹介したもの

この記事に出てきたものを、まとめておきます。

押すと、その説明のところまで戻ります。買うところではなく、まず説明を読んでもらえたらうれしいです。

チーズ(塊)

カルボナーラのチーズ(羊)オーダーチーズ ペコリーノ・ロマーノ 約500g↓家なら、半々でも(牛)オーダーチーズ パルミジャーノ・レッジャーノ 36ヶ月熟成 500g↓

粉チーズで作るなら

ペコリーノの粉イタリア産 ペコリーノ・ロマーノ パウダー 500g↓パルミジャーノ・レッジャーノの粉パルミジャーノ・レッジャーノ DOP 24ヶ月熟成 粉チーズ 150g↓グラナ・パダーノでも(削って使う塊)ザネッティ グラナ・パダーノ ポーション 150g↓

肉

売っているパンチェッタで放牧豚のパンチェッタ スライス 100g(オーストラリア産・冷凍)↓ダビデのカルボナーラの肉グアンチャーレ 200〜350g(冷凍)↓

まとめ|「ローマ風」こそが、本来のカルボナーラ

持ち帰ってほしい、ひとつ。日本で「ローマ風」とつくカルボナーラこそが、本来のカルボナーラ(僕の考え)。チーズはペコリーノ(家なら半々でも)。粉なら、ペコリーノ、パルミジャーノ・レッジャーノ、グラナ・パダーノの粉を。いまのローマは、生クリームを入れず卵とチーズで。生クリーム入りもまちがいではない、イタリアにも生クリーム入りのレシピがあった、速く出す工夫、店の個性。正式なレシピはない、家や店でそれぞれ。一皿の水彩つき
持ち帰ってほしい、ひとつ。

カルボナーラのチーズは、ペコリーノ・ロマーノ。

家なら、パルミジャーノ・レッジャーノと半々でもいい。

粉チーズで作るなら、できれば、ペコリーノやパルミジャーノ・レッジャーノ、グラナ・パダーノの粉を。

チーズ次第で、味が全然かわります。

生クリームの入ったカルボナーラも、まちがいではありません。

イタリアでも、1960年代から80年代には、生クリームを入れるレシピがありました。

たくさんの人に速く出すための工夫だったり、店の個性だったり。

それでも、ひとつだけ、持ち帰ってもらえるなら。

日本で「ローマ風」という肩書きがついているカルボナーラこそが、本来の、ほんとうのカルボナーラ。

僕は、そう思っています。

今日の一曲

今日の一曲は、森山直太朗さんの「君とパスタの日々」。

2005年のシングル『風花』に入っている曲です。

前から、好きな曲です。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、おやすみなさい。