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こんにちは、ひろしです。

今日は、スパイスの話をします。

先に言っておくと、この記事はギャバンをおすすめする記事です。

でも、ぼくは最初からギャバンを信じていたわけじゃありません。

むしろ、避けていました。

飲食業界に入るか入らないかの頃、テレビで有名シェフがギャバンのCMをしていたんです。

それを見て、こう思いました。

CMをしている。
みんなが知る。
みんなが使う。

CMに大金を使っている会社は、スパイスそのものにお金をかけていないんじゃないか、と。

勝手な解釈でした。

でも当時のぼくは、わりと本気でそう思っていました。

ホンモノは、もっと隠れたところにあるはずだ、と。

ポップソングが好きじゃなかった時期と、たぶん同じ感覚だったと思います。
売れているからって、ホンモノとはかぎらない。

でも、ある時期、使っていたメーカーのスパイスに疑問を持ちました。

いろんなメーカーの物を、並べて比べてみたんです。

そしたら、総合的にいちばんよかったのが、ぼく自身がマイナスイメージを持っていた、ギャバンでした。

もちろん、CMに大金を使って中身にお金をかけていない会社も、少なからずあると思います。

でも、ギャバンはホンモノでした。

それ以降、違うメーカーの物を使うこともありますが、総合的に安心して使えるのは、やっぱりギャバンの物でした。

今日は、そのスパイスの話を。

ぼくがイタリアンの現場で20年以上使ってきたスパイスのことと、
スパイスをどういう気持ちで使っているのか、ということを、書いてみたいと思います。

スパイスは、料理に「立体感」をつけるために使う

ハンバーグに、ナツメグ。
ピッツァに、オレガノ。
誰もが一度は目にしたことのある、組み合わせだと思います。

あれって、入っているのと、入っていないのとで、料理の表情がぜんぜん違ってきます。
「あ、なんか美味しい」が、「あ、これ好きかも」に変わる。
その小さな、でも決定的な違いを、スパイスが運んでくれる。

スパイスって何のために使うの、と聞かれたら。
ぼくは「立体感をつけるため」と答えると思います。

立体感というのは、奥行きのようなもの。

たとえば、ひとつの料理の中に、いろんな食材があります。
肉があって、ソースがあって、野菜がある。
それぞれの食材には、それぞれの質感がある。

スパイスは、その質感の違うもの同士を、つなぐ役割を持っています。

魚とソースをつなぐのに、スパイスを使うこともあります。
食材と食材の、あいだに橋を架けるような感覚。

もちろん、臭み消しに使うこともあります。
スパイスそのものの香りがほしい時もある。

でも、ぼくにとってスパイスの本質は、料理の中に奥行きをつくること。
平面だったものに、高さを出すこと。

それが「立体感」という言葉になります。

たとえば、こんなとき。

▶ ナツメグなしのハンバーグと、ナツメグありのハンバーグ。

▶ オレガノなしのマリナーラと、オレガノありのマリナーラ。

▶ ローリエなしのミネストローネと、ローリエありのミネストローネ。

なしのほうは、どこか「あと一歩」が足りない。
ありのほうは、味の輪郭がしゃんと立つ。
この「あと一歩」を埋めるのが、ぼくの言う立体感です。

スパイスは、料理に高さを出すために使う。
食材と食材のあいだに、香りで橋を架けるために。

白胡椒と和牛の話

和牛のタリアータ。白胡椒のやわらかい香りが脂の甘みに合う一皿
和牛のタリアータ。白胡椒のひと振りで。

ひとつ、わかりやすい例を出します。

黒胡椒と白胡椒は、見た目が違うだけだと思っている人が多いかもしれません。
色をつけたくない料理に白胡椒を使う、と思っている人も多いと思います。

でも、ぜんぜん違うんです。
香りが、まったく違う。

ぼくは和牛のタリアータには、白胡椒を使います。

和牛は脂が多くて、甘みがあります。
その甘みに、白胡椒の香りのほうが合う、とぼくは思っています。

黒胡椒の力強い香りではなくて、白胡椒のやわらかい香りが、和牛の脂と甘みに橋を架けてくれます。

ひろし

「色で選ぶ」のではなく「香りで選ぶ」。これがスパイスの使い方の第一歩だと思います。

スパイスを「食材と食材の橋」として考えると、どのスパイスを使うかは、自然と決まってきます。

食材の性質を見て、何と何をつなぎたいのか。
どんな奥行きをつくりたいのか。

そこから逆算して、スパイスを選びます。

メーカーで、香りは変わる

ぼくが使ってきたスパイスメーカーは、主にこの4つです。

  • ギャバン
  • C&A(甘利香辛食品)
  • マスコット
  • ユウキ食品

どれも業務用として現場で使われているメーカーで、それぞれにいいところがあります。

でも、同じスパイスでも、メーカーによって香りがぜんぜん違う。

特にギャバンのペペロンチーノ(唐辛子)、胡椒、オレガノ。
この3つは、他のメーカーと比べて香りが別物だと感じています。

蓋を開けた瞬間にわかります。
あ、これは違う、と。

冒頭に書いたとおり、ぼくは最初ギャバンを避けていました。
でも自分の鼻と舌で比べたら、認めざるを得ませんでした。

偏見を持っていた自分が、いちばん勉強になりました。

色やパッケージではなく、自分の鼻と舌で確かめる。
それが、いちばんの勉強になりました。

生(フレッシュ)と、ドライ

スパイスやハーブには、生のものとドライのものがあります。

スパイス系は、生のものが日本では手に入りにくいものも多いです。
でもハーブは、けっこう揃います。
ぼくも、手に入るものは、生のものを使います。

大事なのは、使い分けです。

生(フレッシュ)と、ドライ。
同じ植物でも、香りもテクスチャーも、ぜんぜん違ってきます。

たとえば、バジリコ。
生のバジリコは、葉ごとちぎってトマトと和えるだけで、ひと皿になります。
ジェノヴェーゼも、生のバジリコでないと作れません。

でもドライのバジリコは、保存が効きます。
煮込みに入れてもへたらないので、長く火を入れる料理では、ドライのほうが扱いやすいんです。

同じ名前のハーブでも、生は生の役割、ドライはドライの役割があります。
どちらが良い・悪いではなく、どちらをどこで使うか。

これはローズマリーでも、タイムでも、オレガノでも、同じです。

セージ、タイム、マジョラム、バジリコ、イタリアンパセリ。
このあたりのハーブは、日本でも生のものが手に入りやすくなっています。
ぜひ、ドライとの違いを比べてみてください。
香りの質も、テクスチャーも、別物だと感じてもらえると思います。

ぼくが現場で使ってきたスパイス

ここからは、イタリアンの現場で実際に使ってきたスパイスを、ひとつずつ紹介していきます。

黒胡椒

白胡椒と黒胡椒のイラスト:フレッシュな状態とドライ(GABAN)、特徴とおすすめ料理

スパイスの王様。

料理人にとって、いちばん身近で、いちばん奥が深いスパイスです。

黒胡椒の使い方は、シンプルです。

  1. ホールの黒胡椒を買う。
  2. 使うたびに、ミルでガリッと挽く。

これだけで、パウダーで買ったものとは香りがまったく違ってきます。

ぼくはプジョーのペッパーミルを使っています。
車じゃなくて、ミルのほう。

プジョーは、もともと胡椒挽き(ペッパーミル)のメーカー。自動車のほうが、じつは後発です。
挽き目の精度が高くて、粒の大きさが揃います。

一度、プジョーの電動ミルが壊れたことがありました。
それで、信頼できる手回しのプジョーに戻りました。
結局、手でゴリっと挽く、あのひと手間が、料理に小さなリズムをくれる気がします。

黒胡椒に関しては、ギャバンのホールが、粒の大きさも香りも安定していて、いちばん信頼しています。

白胡椒

さっき書いたとおり、白胡椒は黒胡椒とはまったく別のスパイスだと思ったほうがいいです。

香りが、違う。

ぼくは和牛のタリアータに白胡椒を使います。
和牛の脂には甘みがあって、その甘みに白胡椒のやわらかい香りが、よく合うんです。

「胡椒は黒か白か」ではなく、「この食材にはどちらの香りが合うか」。

そうやって考えると、白胡椒が必要な場面は、意外と多いです。

ペペロンチーノ(赤唐辛子)

ペペロンチーノ(唐辛子・ホール)のイラスト

イタリアンには欠かせません。

アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ。
この名前のとおり、にんにくとオリーブオイルと唐辛子だけで成立する料理があります。
(合わせるオリーブオイルの選び方はこちらに。)

素材が少ないからこそ、唐辛子の質がそのまま料理に出ます。

ぼくが現場で使ってきたのは、ギャバンの「カイエンペッパー」(パッケージ表記は「カエンペッパー」)のホールです。
(「鷹の爪」とよく似ていますが、カイエンペッパーは細長い品種で、辛さがすっとシャープに通る感じ。鷹の爪は短くてずんぐり、もう少しふくよかな辛さです。)

カイエンペッパーは、辛さだけじゃなくて、香りがあります。
唐辛子に「香り」なんてあるの? と思うかもしれませんが、あるんです。

いい唐辛子は、辛さの奥に、ふわっとした風味がある。
だから、少量で料理がぐっと立体的になります。

結局、香りの強い唐辛子は使う量が少なくて済むので、コスパでも悪くないと、ぼくは思っています。

ナツメグ

ナツメグ(ホール・パウダー)のイラスト

ハンバーグに入れるやつ、と思っている人が多いと思います。

それは正しいです。
ポルペッティーニ(イタリアの肉団子)にも、ハンバーグにも、ひき肉を使う料理には、ナツメグを入れます。

ただし、パウダーではなく、ホールで。

ナツメグも、使い方は同じです。

  1. ホールのナツメグを買う。
  2. 使う直前に、マイクロプレーンで削る。

たったこれだけで、香りがまったく違ってきます。

ひろし

マイクロプレーンは、小さい半円のやつと、平たいゼスターと、2つ持っています。自宅用にも買ったくらい。一家に一台レベルに良い道具だと思います。

瓶に入ったナツメグパウダーと、削りたてのナツメグ。
同じものだと思えないくらい、香りが違います。

コーヒーの豆を挽くのと同じです。
スパイスも、直前に削るだけで、ぜんぜん変わる。

フェンネル

フェンネル(ういきょう)のイラスト

フェンネルには、パウダーとシードがあります。
ぼくはどちらも使います。

パウダーは、ミネストローネに多めに入れると美味しいです。
ふわっと甘い香りが広がって、野菜のスープに奥行きが出る。

シードは、包丁でさらに細かく刻んで、にんにくと一緒にポルケッタに使います。

ポルケッタは、豚肉の塊をハーブと一緒にオーブンで焼くイタリア料理。
フェンネルシードとにんにくを揉み込んで焼くと、最高です。

ポルケッタの渦巻き断面。豚肉にフェンネルシードとにんにくを揉み込んでオーブンで焼いたもの
ポルケッタの断面。フェンネルシードとにんにくが渦巻く。

フェンネルの甘い香りが、豚の脂とにんにくの力強さを、つないでくれる。
これも、スパイスが「橋」になっている例だと思います。

そしてフェンネルは、日本でも生のものが、だんだん手に入りやすくなってきました。

生のフェンネル(イタリアではフィノッキオと呼びます)は、葉と、下の白い身の部分で、使い方がまったく違います。

葉(青々した羽根状の葉先)
仕上げに散らすと、魚料理やサラダに、ふわっと甘い香りが立ちます。
下の白い身(球状の部分)
薄くスライスして、生でサラダに。オーブン焼きやブレゼ(蒸し煮)にすると、火を入れることで驚くほど甘くなります。
花(小さな黄色い花)
咲くととてもきれい。装飾にも、香りづけにも使えます。
モッツァレラ・トマト・フェンネルの花を添えた一皿
モッツァレラとトマトに、フェンネルの花をひとつ。

同じフェンネルでも、シード、パウダー、葉、身、花。
それぞれにまったく違う表情がある。
そういう意味でも、奥の深いハーブだと思います。

ローリエ

ローリエ(ローレル)のイラスト

ソフリット(香味野菜をじっくり炒めたもの)を作るとき。
ミネストラやミネストローネを煮込むとき。

ローリエは、そこにいるだけで、料理の底に奥行きを足してくれます。

派手なスパイスではありません。
主張はしない。
でも、入っているのといないのとでは、ぜんぜん違う。

ぼくは料理の「下地」のような存在だと思っています。
絵を描くときの、キャンバスの下塗りのようなもの。

ローリエを入れて炊いたレンズ豆と野菜のミネストローネ
ローリエを入れて炊いた、レンズ豆と野菜のスープ。

ローリエも、生のものは香りの質が変わります。
生のほうがもちろん香りが強くて、少しツンとした、主張の強い香りがします。

ローズマリー

ローズマリーのイラスト

オーブン料理には、ローズマリー。

ラムやチキンをオーブンで焼くとき、ローズマリーの枝を一緒に入れます。
肉の脂にローズマリーの香りが移って、食べたときに鼻から抜ける。

ローズマリーは香りが強いので、使いすぎると薬っぽくなります。
ほどほどがいい。

でも、ほどほどに使えたとき、料理がぐんと上がります。

イタリアでは、家の庭にローズマリーが生えている家も多いです。
それくらい、イタリア料理と切り離せないスパイス。

ローズマリーは、日本でも育てやすいハーブです。
ぼくの自宅にも、木みたいに大きく育ったローズマリーがあります。

庭のローズマリーを摘む子供の手
庭のローズマリーを摘む手。

詳しくはないのですが、品種があるらしくて、葉が長いものと短いものがあります。
ぼくのお気に入りは、葉が短いほう。

ローズマリーの花。薄紫の小さな花が穂のように咲く
ローズマリーの花。

オレガノ

オレガノとマジョラムのイラスト

ピッツァにかけるやつ。

と言ってしまうと軽いんですが、オレガノは奥が深いです。

トマトとの相性が、とにかくいい。
ピッツァのマリナーラ、トマトソース、トマト系の煮込み(トマト缶そのものの選び方はこちらの記事に書きました)。
(マルゲリータやカプレーゼはバジルが主役で、伝統的にはオレガノは入れません。)
トマトが主役で、バジルじゃないほうの料理に、オレガノがあるだけで、味の輪郭がはっきりします。

マルゲリータ。トマト・モッツァレラ・バジルの王道の組み合わせ
マルゲリータ。トマト・モッツァレラ・バジル。

ギャバンのオレガノは、香りが強いです。
他のメーカーと比べると、少量でしっかり香ります。

結果として、使う量が少なくて済むので、ぼくにとっては結局これがいちばん使いやすい。

ちなみに、上のイラストに一緒に描いてある「マジョラム」。
オレガノに似た見た目で、姉妹のようなハーブです。
もう少し甘くて、やさしい香り。トマトや羊肉と合います。

ただ、ぼくが今までで一番衝撃を受けたオレガノは、別にあります。

イタリア産の、瓶に入ったもの。
頂き物で、メーカーは忘れてしまいました。
でも、蓋を開けた瞬間にやられました。

香りが、まるで別物でした。
日本でふつうに売られているドライオレガノとは、まったく違う世界。
葉も大きめで、手で崩しながら使うようなものだった気がします。

その香りだけは、今でも鮮明に記憶に残っています。

調べてみると、ああいうイタリア産・瓶詰め・葉の大きいオレガノも、今は日本でも手に入るようです。
シチリア産の、マリノ・マウリッツィオ社のもの。野生種で、葉のまま瓶に入っていて、手で揉みながら使うタイプ。25gで1,500円ほど。
ぼくが頂いたものと同じかどうかはわかりませんが、ああいう「向こうの世界の香り」は、今は注文すれば手元に届く時代になりました。

マリノ・マウリッツィオ社のシチリア・フェルラ村の畑で野生オレガノを摘む様子
シチリア・モンティ・イブレイ地方フェルラ村。野生のオレガノを摘む様子。(画像提供:サンヨーエンタープライズ)

取り扱っているのは、サンヨーエンタープライズという、イタリア食材を扱う小さな商社さんです。

余談ですが、ぼくがまだ新米だった頃。
サンヨーさんの社長ご夫妻が、ぼくの働く店まで足を運んでくださったことがありました。
ぼくが新米だと分かっていたはずなのに、ベテランのオーナーシェフと変わらない丁寧さで、接してくださって。
本当に、嬉しかった。

当時、新米のぼくのことまで気にかけてくれる業者さんは、ほかにいなかったんです。
たいていは、オーナーシェフだけを相手にして帰っていかれました。

あの頃の恩に、少しでも報いたい。
そしてなにより、扱っていらっしゃる商品が、どれも素性のはっきりした、ホンモノだから。
現場で使っていて、ぼくがそう感じている。

マリノ・マウリッツィオ シチリア産オレガノ 25g瓶
マリノ・マウリッツィオ社のオレガノ。25g瓶入り。(画像提供:サンヨーエンタープライズ)

🌿 マリノ・マウリッツィオ シチリア産オレガノ 25g瓶を見る

ほかにも、現場で使ってきたスパイスたち

ここまで紹介した8つ以外にも、現場で使ってきたスパイスはたくさんあります。

クミンとアニス(スターアニス/八角)のイラスト
クミン
フェンネルと同じセリ科。カレーだけでなくイタリアンでも使います。
アニス(スターアニス/八角)
独特の甘い香り。好き嫌いが分かれますが、イタリアの食後酒サンブーカにも使われています。
セージとタイムのイラスト
セージ
バターと合わせてパスタに絡める。サルティンボッカにも欠かせません。
タイム
フレンチの印象が強いけれど、イタリアンでも煮込みに使います。
バジリコとイタリアンパセリのイラスト
バジリコ
生のバジリコは、スパイスというよりハーブ。ジェノヴェーゼの主役です。
イタリアンパセリ
料理の仕上げに。彩りだけじゃなく、味をまとめる力があります。
サフランとジュニパーベリーのイラスト
サフラン
リゾットには欠かせません。少量で料理を一変させる、いちばん高価なスパイス。
ジュニパーベリー
ジンの香りの元。肉の臭み消しにも使います。

バニラ。お菓子だけのものだと思われがちですが、じつは料理にも使います。

ぼくが昔よく作っていたのは、にんじんのポタージュに、バニラを少量加えた一品。
にんじんのやさしい甘みと、バニラのまろやかな香りが、ふっと寄り添う。
お客さんからの評判も、よかった料理です。

これも、スパイスが「橋」になっている例だと思います。

ひろし

どのスパイスも、使い方次第で料理の景色が変わります。大事なのは「何を足すか」じゃなくて「何をつなぐか」だと、ぼくは思っています。

ぼくが使ってきた道具とおすすめ

最後に、ぼくが実際に使ってきたスパイスと道具を、まとめておきます。

どれも、自分で使ってきた上で、おすすめできるものだけを選んでいます。

(包丁についても、別の記事に書いています ── 料理人が20年使ってきたMisono包丁の話

GABAN ブラックペパー(ホール)

迷ったら、まずこれ。
ホールの黒胡椒をミルで挽く。
それだけで、料理が変わります。

GABAN オレガノ

トマト料理に、少しだけ。
少量で香るのが、いいオレガノの証拠です。

GABAN カエンペッパー(ホール)

細長い品種の唐辛子(カイエンペッパー)。辛さの奥に、ちゃんと香りがあります。
アーリオ・オーリオに。

GABAN フェンネルシード

ポルケッタを作るなら、これ。
包丁で刻んで、にんにくと揉み込みます。

GABAN ナツメグ(ホール)

パウダーではなく、ホールで。
使う直前に削ると、香りがまったく変わります。

ホールが手に入らないときは、パウダーでも。
それでも、市販のスーパーでよく見るものより、香りはしっかりと出ます。

プジョー ペッパーミル

挽き目の精度が高い。粒が揃う。
電動が壊れて、手回しに戻ったあとも、結局プジョー。
それくらい、挽いたときの感触が違うんです。
(道具で料理が変わる話は、フライパンの記事にも書いています。)

マイクロプレーン

ナツメグを削るのはもちろん、チーズ、にんにく、レモンの皮。
なんでも使えます。

ぼくは仕事用に2本(小さい半円状のやつと、平たいゼスター)、自宅用にも同じ2種類を1本ずつ持っています。

自宅用にもわざわざ揃えたくらい、一家に一台レベルで便利な道具です。

細目のゼスター(46020・ブラック) ― ナツメグもチーズもレモンの皮も、これ1本でほぼ何でもいけます。

小さい半円のスパイスグレーター(46016・ブラック) ― ナツメグやシナモンなど、硬いスパイスを使う直前に削る用。仕事中は小回りが効きます。

迷ったら、まずこれ一本。

家庭にスパイスを「1本だけ」足すなら、
ぼくは迷わず、ギャバンの黒胡椒ホールをすすめます。
ミルさえあれば、毎日の料理が、一段変わります。

まとめ

— この記事のまとめ —
立体感をつけるために、使う。
食材と食材のあいだに、橋を架ける。
ホールで買って、使う直前に挽く・削る。

大事なのは、何を足すか、ではなく、何をつなぐか。
料理だけじゃなく、たぶん、人生のいろんなことも、そう。

メーカーによって、同じスパイスでも香りはぜんぜん違います。
ぼくは偏見を持っていたギャバンが、いちばん信頼できるメーカーでした。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、おやすみなさい。

今日の一曲

今日の一曲は、レッチリ。
Red Hot Chili Peppers「Around the World」

スパイスの話を書きながら、悩んで悩んで、結局この曲が頭に出てきました。

冒頭の、あのイントロ。
あれが、スパイスみたいに、ぼくの頭に効いてくるんです。