おおとり模型は、ラジコンの病院で、サンタクロースだった|出雲の模型店が11月で閉店
― この記事について ―
出雲の模型店「おおとり模型」が、2026年11月で店を閉めます。子どもと通って4年ほど。ラジコンが壊れるたびに走ったお店への、お礼の記事です。これからラジコンを始める人に向けて、本体のほかに何が要るのかも、僕に分かった範囲で書きました。
こんばんは、ひろしです。
今日は、出雲の模型店「おおとり模型」の話です。
11月3日は文化の日で、仕事は午前で終わりでした。その帰りにお昼ごはんを食べていたら、Xにお店のお知らせが流れてきました。
今月で店を閉める。今日から29日の日曜日まで、閉店セールをする。
びっくりして、そのままお店へ寄りました。
結論から言うと。
おおとり模型は、子どもが泣きながら駆けこむ「ラジコンの病院」でした。
そして僕にとっては、クリスマスイブの夜に子どもの夢を守ってくれた、サンタクロースでした。
通ったのは、4年ほどです。それでも、ちゃんとお礼を書いておきたくなりました。
説明していきます。
― 先に、結論だけ ―
押すと、その説明に飛びます。
途中の「寄り道」は、たたんであります。気になったところだけ、開いてみてください。
おおとり模型が、11月で店を閉める
お知らせは、短いものでした。
おおとり模型さんの、廃業のお知らせ(Xの投稿)
— おおとり模型 (@otorimokei) 2026年11月3日
お昼ごはんを食べ終えて、その足でお店へ向かいました。
発表から、まだ何時間もたっていません。それなのに、店の中はお客さんでいっぱいでした。
やっぱり、愛されていたお店なんだな。そう思いました。

閉店セールの張り紙を見て、本当に閉めるんだとは分かっていました。それでもお店の方に直接たずねて、たしかめました。そして、お礼を言いました。
閉店セールは11月29日(日)まで。お店の場所と日にちは、記事の最後に ↓
そんなに長い期間じゃないけど、ものすごい恩を感じてるんよね。
4年間を、先に年表にしておきます。

子どものころからの客ではない。子どもと通った、4年ほどのお店
最初に、正直に書いておきます。
僕は、子どものころからおおとり模型に通っていたわけではありません。
育ったのは大阪です。子どものころに通っていたのは、千里中央の「いせや」というおもちゃ屋さんでした。千中パル(せんちゅうパル)というアーケード街の2階にある、都会的で、広めのお店でした。
ファミコンも、ディスクシステムも、ミニ四駆も、ラジコンも。全部、いせやで買いました。

寄り道空手の日は、歩いて、いせやへタップで開きます
プロレスの記事にも書きましたが、僕は小さいころ、空手を習っていました。教室は、いせやと同じ千里中央の、セルシーの5階です。
うちには、おこづかいの決まりがありませんでした。そこで、母がこう提案してくれたんです。
空手にはバスで通っているけれど、往復歩けばバス代が月に400円浮く。がんばって歩くなら、そのお金でミニ四駆のパーツを買っていい。
僕はすぐに乗って、往復を歩きました。浮いたお金で、空手の日にはいせやに寄ってパーツを買いました。毎回ではありません。高いものは、お金をためてから。

いい思い出です。空手の教室があったセルシーも、もうなくなってしまいました。
そのいせやも、ずいぶん前に閉店したはずです。今も実家に帰るたびに、あのあたりを通ります。少し、さみしい気持ちになります。
上の子は、ミニ四駆を通り越して、5歳で組み立てるラジコンを手に入れました。僕があこがれて、いまだに手にしていないものを(笑)
それから大人になって、出雲に来て、子どもが生まれました。おおとり模型は、その子と一緒に通ったお店です。
最初は、プラモデルを買いに
通いはじめたのは、ラジコンより前です。子どもとプラモデルを買いに行ったのが、最初でした。
そのころ、子どもたちはウルトラマンに夢中でした。
寄り道子どもたちが、ウルトラマンにはまったわけタップで開きます
じつは僕は、ウルトラマンをほとんど見ずに育ちました。僕が小さいころは、テレビでやっていなかったんです。もちろん、名前は知っていましたけど。
ウルトラマンを好きになったのは、子どもたちのほうです。
あるとき、子どもたちと本屋さんへ行って、1冊ずつ本を買ってあげました。それぞれが、自分で選んだ1冊です。
一人が選んだのは、パウ・パトロールの絵本。寝る前に読むのにちょうどよくて、いいのを選んだなと思いました。
もう一人が選んだのは、ウルトラヒーローの図鑑のような本でした。それを毎晩、寝る前に読んでいるうちに、子どもたちはすっかりウルトラマンにはまってしまいました。
家には、ウルトラマンのソフビ(やわらかいビニールの人形)がありました。でも、プラモデルのほうが手足がよく動いて、面白いかもしれない。僕も久しぶりに、プラモデルを作ってみようかな。
そう思って、おおとり模型でウルトラマンのプラモデルを買いました。その流れで、次はドラゴンボールのプラモデルも。悟空とベジータを作ってみたら、出来のよさにびっくりしました。
そこから、上の子はブロリーを、下の子は銀色の髪の悟空を作りました。子どもたちも、あのお店が大好きです。

子どものカメラにも、プラモデルの写真がたくさん残っていました。白い板を背景に立てて、ポーズを変えては、何枚も何枚も。












子どものカメラに残っていた、プラモデルの写真から(2024年7月〜2025年4月)。タップで大きくなります。
プラモデルを買いに行くたびに、僕は毎回、ラジコンの売り場をのぞいていました。
ラジコン、いいなあ。
毎回のぞいていたから、気づいたことがあります。値段が良心的なこと。それから、思っていた以上に品物の入れかわりが早いこと。
はじまりは、数千円のトイラジ
上の子が4歳くらいのクリスマス。サンタさんのプレゼントは、ネットで買った数千円のラジコンでした。いわゆる「トイラジ」、おもちゃのラジコンです。
公園など、いろんなところで走らせました。

ある日、ストリングス コーヒー ロースターズに行ったときのことです。Googleマップを見ていたら、すぐ近くに「ラジコンサーキット」という名前を見つけました。
ただの広場かもしれない。でも、子どもはラジコンが大好きです。その日はコーヒーを買いに来ただけなので、ラジコンは持っていません。それでも、どんなところか見てみたくて、寄ってみることにしました。
行ってみると、本当にサーキットがありました。
アスファルトのコースに、立派な操縦台。大人が何人も、ラジコンを走らせていました。

え、これほんまに、本物のサーキットやん。
次の休みに、子どものトイラジを持っていきました。子どもは楽しそうでした。でも、まわりとはスピードがまるでちがいます。
実家にあった、僕のホライゾン
トイラジでは、どうしても速さが足りない。そう思っていた2023年のお正月、実家に帰ったときのことです。
僕が子どものころに買ってもらったラジコンが、箱ごときれいに残っていました。母が取っておいてくれたんです。
タミヤの「ホライゾン」。組み立てずに走らせられる、「QD(クイックドライブ)」という1/14のラジコンです。

持って帰ると、故障もなく元気に走りました。
それからは、ホライゾンとトイラジを持って、子どもとあのサーキットに通いました。


子どもはまだ操縦がうまくないので、ガンガンぶつけます。新品同様だったホライゾンは、すっかりボロボロになりました。
今では、プレミアのつく値段になっていたらしいです。でも、子どもがあれだけ楽しんだんだから、十分です。

ただ、遅いものは遅い。タイヤもすり減って、ズルズル滑ります。なのに、替えのタイヤはもう手に入らないと言われました。
寄り道そのホライゾンは、どうやって僕のところに来たのかタップで開きます
箱には「6年2組」と、僕の名前が書いてありました。小学6年生のときに買ってもらったんだと思います。
ずっと、ラジコンが欲しかったんです。まわりの子は持っていたけれど、高いので買ってもらえませんでした。本当は、自分で組み立てるラジコンが欲しかった。でもそれは2万5千円くらいして、とても手が届きません。
父は、電車で1時間くらいかかるところで、お店をやっていました。
小さいころはよく遊びに行っていたのに、大きくなるにつれて、みんなだんだん行かなくなりました。父も、きっとさびしかったんだと思います。となりの喫茶店でメロンソーダを飲ませてあげるから、と僕や妹を誘うようになりました。
ある日、こっそり言われました。
「ラジコン買ってやるから、今度、店に一緒に行こう」
約束どおり、父はいせやでホライゾンを買ってくれました。ミニ四駆でいちばん好きだったのも、同じ名前の「ダッシュ0号 地平(ホライゾン)」です。肉抜き(車体に穴をあけて軽くすること)をしすぎて壊してしまい、ボンドでくっつけたほど大事にしていました。
めちゃくちゃ、うれしかった。

ところが家に帰ると、母にも怒られ、姉にも妹にも責められて。すごく泣いた記憶があります。
父は約束を守って、買ってくれただけ。何が悪いのか、僕には分かりませんでした。
そうやって手にした、ラジコンでした。遊ばなくなってからも、それを箱ごと取っておいてくれたのは、あんなに怒った、母でした。

砂煙をあげて走った、レーシングファイター
ある日のサーキットに、子どもたちを笑わせてくれるおじさんがいました。
マネキンのような、やわらかい顔をボディにのせて走らせるんです。顔が走っているみたいで、子どもたちは大笑いしていました。


そのおじさんが持っていたのが、タミヤの「レーシングファイター」という、でこぼこ道も走れるバギーです。サーキットのわきの砂利道を、砂煙をあげて、ものすごいスピードで走り抜けていきました。
その瞬間から、子どもは「レーシングファイター」しか言わなくなりました。あのおじさんとは、それ以来会っていません。
サンタさんへの手紙には、こう書きました。
「サンタさんへ レーシングファイターのラジコンがほしいです」

そして2023年のクリスマス。5歳の子どものもとに、レーシングファイターがサンタさんから届きました。

1台目は、子どもと組み立てるほうを選んだ
じつは僕も、ラジコンを組み立てるのは初めてでした。何を買えばいいのかも分かりません。だから最初に、おおとり模型で相談しました。
お店で教えてもらったのは、組み立て済みのものなら、すぐに走れるということでした。タミヤでいう「XB」という、一式そろったセットです。
でも僕には、小さいころからの「自分で作りたい」という夢がありました。
それに、一緒に作ったマシンなら子どももきっと喜ぶ。作る楽しさも覚えられるかもしれない。だから、組み立てるほうを選びました。
作り方や気をつけることは、ネットでめちゃくちゃ勉強しました。
組み立ては、子どもと二人で。ボディの色は子どもが自分で決めて、自分で塗りました。デカール(シール)も、ハサミで一生懸命切って、全部自分で貼りました。



ラジコンは、本体だけでは走らない
ここからは、これからラジコンを始める人のために。子どもと3台組んで、僕がやっと分かったぐらいのことです。くわしい人から見たら、当たり前のことばかりだと思います。
本体だけなら、思ったより安く買えます。
ところが、ここに「ラジコンあるある」があります。組み立てるタイプのラジコンは、走らせるための道具を、別にそろえないといけないんです。
まずは、ラジコンが走るしくみを1枚で。

― 本体のほかに、要るもの ―
プロポ(送信機)手に持って、操縦するうちのは:フタバの3PV ↓
受信機プロポからの電波を受けとるうちのは:フタバのR203GF ↓
サーボ前のタイヤの向きを変える。ハンドルの役目うちのは:ジーフォースのGDS-0812 ↓
ESC(スピードコントローラー)モーターの速さを調整するうちのは:ホビーウィングのQuicRun 1060 ↓
モーター車を走らせる。キットに入っていることもある(レーシングファイターには入っていた)うちのは:レーシングファイターに入っていたもの ↓
バッテリー電気をためておくうちのは:ゼエエ(Zeee)のリポ。F1はタミヤのリフェ ↓
充電器バッテリーに電気を入れる。バッテリーの種類に合ったものが要るうちのは:ハイテックのX1 POCKET II ↓行をタップすると、記事の最後の商品カードへ飛びます
最初は何も分からなかったので、タミヤの「ファインスペック」というセットと、レーシングファイターを買いました。プロポからバッテリー、充電器まで、走らせるのに要るものがひとそろい入ったセットです。
バッテリーの選び方、プロポのこと、組み立て済みかキットかは、寄り道にまとめておきます。
寄り道始める人へ。バッテリー、プロポ、組み立て済みかキットかタップで開きます
バッテリーは、リポからリフェへ
バッテリーで、遊べる時間がまるでちがいます。
僕の買ったセットには、ニッカドのバッテリーがついていました。でもこれだと、数分しか走れません。
バッテリーには、ニッカドのほかに、ニッケル水素、リポ、リフェなどがあります。僕が選んだのは、リポでした。2個用意すれば、1日たっぷり遊べます。

ただ、リポは扱いをまちがえると、発火するおそれがあります。調べたときにも出てきたし、サーキットでも何人もの人がそう言っていました。
だから、燃えにくい袋の「リポセーフ」も買いました。
そういう話になると、よく名前が出てくるのが「リフェ」です。リポより燃えにくいと言われるバッテリーですが、そのぶん値段は高めです。
最初は、こんなに長くラジコンで遊ぶとは思っていませんでした。だから、安いほうのリポにしたんです。
でも、これだけ続くなら、きちんとしたものを。3台目のF1のときに、タミヤのリフェを買いました。
タミヤのレースに出るなら、リフェが要るらしい、というのもありました。調べてみると、タミヤの公式のレース「タミヤグランプリ」でも、F1のクラスはタミヤのリフェ「LF1100-6.6V」と決まっています(2026年1〜5月の決まり)。
うちが買ったのは、それより容量の大きい「LF2200-6.6V」です(買ったリフェ ↓)。レースに出るなら、決まりをよく確かめてから、ですね。
充電器も、別に買いました。セットの充電器では、リポを充電できないからです。
うちのは、ハイテックの「X1 POCKET II」。手のひらにのるほど小さいのに、ニッカド、ニッケル水素、リポ、リフェの4種類が、これ1つで充電できます。いま買うなら、2026年9月に出た新しい「X1 POCKET EX」がよさそうです。
扱い方は、バッテリーと充電器の説明書のとおりに。
プロポは、使い回せるものに
セットで買うと、プロポは車ごとについてきます。車が増えるたびに、プロポもどんどん増えていく。でも中には、受信機を増やせば1台で何台も動かせるプロポがあります。だから2台目からは、ほかの車にも使い回せるプロポにしました。
組み立て済みか、キットか
- 組み立て済み(タミヤでいう「XB」)=買ってすぐに走れる
- 組み立てキット=自分で組む。本体のほかに、プロポやサーボなどを別にそろえる

どちらがいい、というものではないと思います。すぐに走らせたいなら、組み立て済み。作るところから楽しみたいなら、キット。僕がキットを選んだのは、子どもと一緒に作りたかったから。それに、組んだものは自分で直せます。
1台を走らせるまでにそろえると、3万円を超えることもあります。ハマると沼が深い、お金のかかる世界なんだなと思いました。
まあ、趣味はなんでもそうですね。僕も、写真の道具にいくら使ったか分かりません。
迷ったら、模型店で相談するのがいちばんでした。僕はそうやって、全部おおとり模型で教わりました。
壊れるたびに子どもが泣いて、おおとり模型へ走った
おおとり模型は、僕たち親子にとって「ラジコンの病院」でした。
その話の前に、トイラジとホビーラジコンのちがいを書いておきます。いちばんのちがいは、壊れたときに出ます。
― トイラジと、ホビーラジコン ―
- トイラジ=おもちゃ屋さんやネットで、数千円くらいから。買ってすぐに遊べる。壊れたら、直すのはむずかしい
- ホビーラジコン=タミヤや京商などのもの。自分で組んで、部品を替えたり、セッティングしたりする。迫力があって、速い。そして、壊れても自分で直せる
自分で組み立てたものは、壊れても自分で直せる。ホビーラジコンのいちばんいいところは、ここだと思います。
何度も、駆けこんだ
レーシングファイターは、サーキットで何度も走りました。子どもは飽きずに、ずっと遊んでいます。

そして、何度か壊れました。
最初は、タイヤがついている大事な部品がバキッと折れたときです。子どもは泣きました。
すぐに、おおとり模型へ走りました。部品はちゃんとあって、その場で買えました。
次は、サーボホーン(サーボの動きをタイヤに伝える小さな部品)が壊れて、曲がらなくなったとき。子どもは、また泣きました。
また、おおとり模型へ。少し強めの「ハイトルクサーボセイバー」を買って、すぐに直せました。
子どもは、ジャンプ台が大好きです。着地のたびに、ガガンッと車の底を打ちつけます。だからダンパー(着地の衝撃をやわらげる部品)を、付属のフリクションダンパーから、少し強い CVA ダンパーに替えました。今は、タミヤのアルミのダンパーがついています。レーシングファイターにも、ネクスジェンにも、同じものです(このダンパー ↓)。
タイヤがすり減ってツルツルになったら、タイヤを買いに行く。サーキットの親切な人に「スポンジを入れたほうが速くなるよ」と教わったら、スポンジを買いに行く。
ことあるごとに、おおとり模型へ走りました。どれも、お店で相談して決めたものです。


ネットとくらべても、あまり変わらなかった
最初は、ネットのほうが安いだろうと思っていました。
でも、くらべてみると、そんなに変わりません。たぶん、良心的な値段をつけてくれていたんだと思います。
少し足すだけで、待たずにすぐ手に入る。壊れても、すぐに部品を買いに行ける。それなら、僕はお店のほうがよかった。
一度、ボディが全部割れたことがありました。そのときはたまたま在庫がなくて、取り寄せになりました。品物が届くと、お店からすぐに電話がありました。
寄り道僕は、ものを直す人になりたかったタップで開きます
最初のトイラジが壊れたとき、僕には手に負えませんでした。
しばらくあきらめていたんですが、出雲科学館で「おもちゃの病院」をやっていると知りました。持っていくと、直るかは保証できない、いつまでとも言えない、と言われました。それで全然いいです、と預けました。
何か月かして、直りましたと連絡がありました。
子どもはもちろん喜びました。でも、僕もうれしかった。直せるって、すごいなと思いました。
じつは小さいころ、僕は「ものを直す人」になりたかったんです。
祖母は、半身が不自由でした。その祖母が大事にしていた、小さなラジオがありました。ラジオの調子が悪くなって、祖母は僕に「ちょっと見てみて」と頼んだんです。ミニ四駆の改造で、僕がネジを開けられるのを知っていたから。
基板のことは何も分かりません。でも開けてみると、ある部分を押したときだけ、ちゃんと鳴ることに気がつきました。それなら、ふたで押さえればいい。ふたとその部品のあいだに、小さな消しゴムをはさみました。
それだけで、ラジオは直りました。祖母には、すごく感謝されました。

結局は、料理人になりました。でもあれ以来、ものを直すのが好きです。今の職場でも、たいていのものは自分で直しています。素人の作業ですけど。
2台目は、クリスマスイブの夜に間に合った
ここからが、いちばん書いておきたい話です。おおとり模型がなかったら、間に合わなかったクリスマスの話です。
サンタさんへの手紙と、直前の「大人の趣味」
レーシングファイターの次の年、2024年のクリスマスは、ラジコンではありませんでした。ウルトラセブンの変身アイテム「ウルトラアイ」です。
そして、2025年のクリスマス。子どもは、すっかりラジコンに夢中でした。
サンタさんへの手紙には、「がめらつきドローンをください」と書いてありました。カメラのついたドローンのことです。
その下には、ドローンがなかったら「DT4のバギー」を、とも書いてありました。DT-04は、子どもがほしがっていたタミヤ「ファイター ネクスジェン」の土台(シャーシ)の名前です。
一生懸命書いた手紙を、ずいぶん前から壁に貼っていました。

手紙には、こんなことも書いてありました。
「今途中だけど、サンタサンのえ本を作っているよ。したにおいているから見て見てね。」
「サンタサン、いつもふゆにプレゼントを、ほしいものをくれてありがとう。」
「サンタサンのえ本のページめくって見てね。」
サンタさんへのお礼に、サンタさんの絵本を描いていたんです。
スケッチブックに描いて、スケッチブックごと、手紙の下に置いてありました。「ページめくって見てね」は、そういう意味だったんです。サンタさんに、めくって読んでほしかったんですね。
横にめくれます →




サンタさんへのお礼に描いた「サンタサンのえ本」(2025年12月)。
父親サンタは、感動しました(笑)
ドローンは、まだ早い。サンタさんからは、二つ目のお願いのラジコンと決まっていました。
うちでは、商品を選ぶのは僕で、注文するのは妻です。このときも、おおとり模型で相談しながら選びました。タミヤの「ファイター ネクスジェン」の本体に、使い回せるプロポと受信機、サーボ、ESC。全部そろえる計画でした。
ところが、クリスマスの直前になって、妻から反対の声があがりました。
「ラジコンは、大人の趣味。大人になってから、自分で買えばいい」
代わりのプレゼントも、もう頼んであると言われました。
その考えも、分かるんです。ラジコンは、そろえると何万円もかかります。サーキットに来ているのも、ほとんどが大人です。子どもにはまだ早いというのも、ひとつのまっとうな見方だと思います。
でも、僕は僕で、ゆずれませんでした。
子どもはラジコンがものすごく好きで、ずっと飽きずに遊んでいる。それだけ大事なものなら、大事にしてあげたい。
「サンタさん、レーシングファイターもくれたから、くれるよね」
そう言って、ずっと楽しみにしていたんです。
カレンダーの24日にも、自分で書きこんでいました。勢いのある字で、僕はこれが好きです。

サンタさんを信じていられるのは、たぶんあと数年です。僕もそうでしたが、小学校の中学年くらいになると、どこからか「サンタさんって、いないんだよ」という話が回ってきます。
だから、それまでの間くらいは、信じさせてあげたい。
僕は何日もかけて、妻にお願いしました。お金は全部僕が出すから、反対しないでほしい、と。
僕は、子どもは子どもで、対等な存在だと思っています。子どものおかげで、僕も救われている。救われたぶんは、返したい。
二百万、三百万は出せません。でも、二万、三万なら、なんとかなる。
夢が見れるうちは、見させてあげたいのよ、僕は。
大人になると、いろいろあります。夢を見られなくなることもある。
僕は僕で、夢を見つづけていたいんですけどね。
24日の昼に、OKが出た

やっとOKが出たのは、12月24日のお昼でした。僕の仕事の、休憩中です。
今からネットで注文しても、もう間に合いません。
しかも、少し前におおとり模型へ見に行ったときは、ネクスジェンの在庫がありませんでした。
松江にも模型店があります。仕事が終わったら、高速を使ってでもそこまで走って買ってくるしかない。もう、そのつもりでいました。
でも、念のため。夕方、おおとり模型に電話してみました。
入荷していて、在庫があるとのこと。すぐに、取っておいてくださいとお願いしました。
イブの夜に、全部見つくろってもらった
仕事のあとで、おおとり模型に駆けこみました。
ネクスジェンの本体と、それを走らせるためのもの。そのときも、お店の方に相談しました。
プロポには、10万円くらいする高いものもあります。そこまでのものでなくていい。ただ、受信機を増やせば1台で何台も動かせる、ちゃんとしたものを。それから、サーボとESC。バッテリーは家にあったので、それ以外の要るものを全部見つくろってもらいました。
もともとは、ネットで安いプロポを買うつもりでした。もちろん、もう間に合いません。予算はだいぶオーバーして、お財布にはかなりの痛手でした。
それでも。
子どもの夢を、守ることができました。

レーシングファイターから、2年。子どもは前よりずっと上手になっていました。
一緒に組み立てて、また走らせに行って。少しいい部品も、おおとり模型へ一緒に探しに行きました。
世界中の大人は、みんなサンタクロース
「サンタさんって、いないんでしょ」と聞かれる日が、いつか来ると思います。そのときに、話そうと思っていることがあります。

サンタさんは、いないんじゃない。
世界中の大人が、
みんなサンタクロースなんだよ。
サンタさんにお願いして、買ってくれるのは親かもしれない。だから、サンタクロースの正体は親だったと思うかもしれません。
でも、そのおもちゃを作っている人がいる。仕入れている人がいて、売っている人がいる。運んでくれる人もいる。
たった一つのおもちゃでも、実はたくさんの人が関わって、最終的に子どもの元へ届く。
そのどれ一つが欠けても、サンタクロースは存在しません。

そう考えると、世の中の仕事は、全部サンタクロースなんだと思います。
だから、あのイブの夜のおおとり模型は。
僕にとっての、サンタクロースでした。
3台目のF1も、すぐにおおとり模型で直した
そして2026年。8歳の誕生日に、念願の3台目がやってきました。タミヤのF1、「F104 PRO II」です。
本体は、家のお金から。走らせるのに要るESCと受信機とサーボ、それにパーツは、僕の財布から(苦笑)。
3台目ともなると、子どもはいろんなことができるようになっていました。ボディを切り抜くのも、色を塗るのも、デカールを貼るのも。たくさん手伝ってくれました。



時間をかけて、ようやく完成です。

6年生でやっとホライゾンを買ってもらった僕とは対照的に、8歳にしてホビーラジコン3台(笑)
ところが、走らせてすぐに、前のタイヤがぶらんぶらんになってしまいました。できたばかりだったので、子どもは大泣きです。
F1はバギーとちがって、ジャンプもできないし、ぶつかるのにも弱いらしいんです。
そのときも、おおとり模型へ走りました。部品を買って、すぐに直せました。
寄り道次の難関は、ドローンタップで開きます
じつは、F1を買う前から、子どもはずっと言っています。次は、ドローンがいい。
トイラジと同じように、トイドローンという小さなものがあります。それはそれで楽しいんですが、外だと風に飛ばされやすくて、家の中専用になってしまいます。
でも子どもは、家の中で飛ばしたいわけではありません。外で、カメラのついたもので、撮影がしたいんです。子どもは、カメラも好きだから。トイドローンを買っても、きっとすぐに飽きてしまうと思います。
そこそこちゃんとしたものを調べると、ここでも送信機が要ります。スマホを取りつけるタイプもありますが、子どもがスマホを持たせてもらえるのは、まだまだ先です。
となると、画面つきの送信機がいい。セットで買うと、10万円近くになります。

家族の会議は、ラジコンのときより、さらに厳しくなりそうです。
応援するなら、買い物を。閉店セールは11月29日(日)まで
あの日、お店の中で、僕は迷っていました。
店には、僕が昔乗っていた車のラジコンがあったんです。
本体は、1万4千円か1万7千円くらいだったと思います。でもやっぱり、プロポに受信機、ESC、サーボと、そろえるものがあります。全部で3万円を超えてしまいます。
2割引きのセールでも、さすがにためらいました。
それでも、何かお礼の気持ちを、と思って。ドラゴンボールのプラモデルを3つ買って帰りました。
応援するなら、もっと買い物してくれよ、っていうのが本当の筋やと思うんやけどね。
ラジコンを買うかどうかは、今もまだ悩んでいます。子どものころからあこがれて、まだ手にしていない、自分で組み立てるラジコンです。
あのお客さんの入り方だと、お店の棚はわりとすぐに空っぽになってしまうかもしれません。気になる人は、早めにのぞいてみてください。

お店の場所と、閉店セール
店名
おおとり模型
場所
島根県出雲市大津新崎町
閉店セール
11月3日(火)から、最後の営業日の11月29日(日)まで
営業時間
9時30分〜19時30分
11月のお休み
5日・9日・12日・16日・19日・24日・26日(23日の月曜日は営業、24日の火曜日がお休み)
お支払い
クレジットカードは、10月から使えなくなったそうです(PayPay・d払い・メルカリペイは使える)
いちばん新しいお知らせ
営業時間はお店のXの固定の投稿(2025年8月)、11月のお休みとお支払いは11月3日のお知らせの画像より。セールの割引は予約品・取り置き品をのぞく、とのことです。セールの期間中は、取り置きの予約はできないそうです。お出かけの前に、お店のXで確かめてください。
まとめ|おおとり模型は、子どもの夢を守ってくれた
通ったのは、4年ほどです。子どものころからの思い出も、僕にはありません。
それでも、ものすごく恩を感じています。
子どものころのいせやがなくなったさみしさを、僕は少し知っています。
妻も職場の人も、おおとり模型は「子どものころからある店」だと言います。
僕よりずっと長く、この町の子どもたちのラジコンの病院で、サンタクロースだったんだと思います。
地元の人たちのさみしさは、きっと僕よりずっと大きいはずです。
僕たち親子にとっても、そうでした。
壊れるたびに子どもが泣いて、そのたびに走った、ラジコンの病院。
クリスマスイブの夜に、子どもの夢を守ってくれた、サンタクロース。
閉店セールは、11月29日(日)までです。
おおとり模型さん。
ほんとうに、ありがとうございました。
― もう一度、読みたいところへ ―
この記事で紹介したもの
この記事に出てきたものを、まとめておきます。
近くに模型店があるなら、まずはお店で相談してみてください。リンクは、値段の目安にどうぞ。
3台の車
1台目は、レーシングファイター。組み立てるキットです。いまは売り切れのお店が多いようです。
2台目は、ファイター ネクスジェン。これも組み立てるキットです。
3台目は、F1の「F104 PRO II」です。
走らせるのに要るもの
最初に買ったのは、タミヤのファインスペックのセット。プロポからバッテリー、充電器まで、ひとそろい入っています。
2台目からのプロポは、フタバの3PVです。
受信機は、あとからフタバのものを買い足しました。
リポのバッテリーは、ゼエエ(Zeee)の4000mAh。2個セットなので、交代で使えば1日たっぷり遊べます。
F1には、タミヤのリフェ。うちが買ったのは「LF2200-6.6V」です。(タミヤグランプリのF1のクラスで決まっているのは「LF1100-6.6V」のほう。)
リポを入れておく、燃えにくい袋(リポセーフ)。いろいろなメーカーから出ています。
ESCは、ホビーウィングのQuicRun 1060。2台ぶん、2個買いました。
サーボは、ジーフォースのGDS-0812です。
ダンパーは、タミヤのアルミダンパーセット(OP.1993)。いまは、レーシングファイターにもネクスジェンにも、これがついています。
冬のネクスジェンは、夕方になるとすぐ暗くなって、車が見えにくくなりました。それでLEDライトを付けることにしました。どれを選んだらいいか、このときもお店の方が親身に相談に乗ってくれました。

つけたのは、イーグル模型のLEDライトシステム(LED-06H)。夕方の暗いサーキットでも、車が見えるようになりました。
LEDライトを車の前と後ろに取りつける入れ物は、タミヤのバギー用ライトポッドセット(OP.1972)。これも注文しました。丸形と角形が4個ずつ入っています。
充電器は、ハイテックの「X1 POCKET II」。これ1つで、ニッカド、ニッケル水素、リポ、リフェが充電できます。いま買うなら、2026年9月に出た新しい「X1 POCKET EX」も。楽天とYahoo!のボタンからは、どちらも探せます。
今日の一曲
今日の一曲は、ザ・タイマーズの「デイ・ドリーム・ビリーバー」。
題の「デイ・ドリーム・ビリーバー」は、夢を見る人、というような意味の言葉です。
大人になると、いろいろな現実を知ります。それでも僕は、夢を見つづけて生きていきたい。子どもにも、そうあってほしいと思っています。
音楽では、生きていけない。好きなことでは、生きていけない。そう教えてくれた大人たちもいました。
そうでもないよ。夢なんていくらでもあってもいいし、いくつになっても見続けてもいいんだよ。
音楽だって、プロレスだって。続けていけるのは、好きだからです。
みうらじゅんさんが1992年に出した漫画で、2003年には映画にもなった『アイデン&ティティ』も、そういう物語です。好きなことは、やらなきゃならないこと。映画のキャッチコピーは、こうでした。
「やらなきゃならないことをやるだけさ。だからうまくいくんだよ。」(映画『アイデン&ティティ』のキャッチコピーより)
なんだか、このブログを始めたころの記事みたいになりました。
忌野清志郎さんの歌は、このブログでも何度か流してきました。この曲は、清志郎さんがザ・タイマーズとして歌った、1988年の学園祭のライブの映像です。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、おやすみなさい。
























