こんばんは、ひろしです。

今日は、写真の話をします。

撮ったあとの話です。

撮った写真を仕上げる「現像」という作業。
そのためのソフトを、僕は長いあいだ、探してきました。

結論から言うと、たどり着いたのは DxO PhotoLab(ディーエックスオー・フォトラボ)という現像ソフトでした。

サブスクではなく、買い切り。
富士フイルムの色と、相性がいい。
そして、諦めていたノイズを、自然に消してくれた。

なぜ、このソフトなのか。
そして、なぜ僕はいまも Lightroom(ライトルーム)を一度も使っていないのか。

ここにたどり着くまで、ずいぶん遠回りをしました。
その遠回りの話を、順番に、説明していきます。

ある雨の夜、諦めていたノイズが消えた

2024年の11月。
幼い子どもふたりを連れて、ハウステンボスに行きました。
大人は、僕ひとり。

着いたのは、夜。
あたりは、もう真っ暗でした。

それでも、目の前のホテルが立派だったので、思わずカメラを向けました。

富士の X-T5 で、感度をぐっと上げた一枚。
ISO25600。

暗いところで、これだけ感度を上げると、写真は「ノイズ」でざらつきます。
撮ったその場でJPEGを見ると、夜空に、星ではない色の粒々が、点々と浮いていました。

「まあ、この暗さだと、仕方ないよな」
そう思っていました。

そのとき、ためしに使っていた PhotoLab の体験版に、その一枚を通してみたんです。

そうしたら。

諦めていたノイズが、消えていました。

のっぺりと塗りつぶしたようにではなく、夜空はちゃんと夜空のまま。
ただ、粒々だけが、静かにいなくなっていた。

信じられませんでした。

DxO PhotoLab現像前のハウステンボス ホテルヨーロッパ夜景(ISO25600の元JPEG)
ハウステンボス、ホテルヨーロッパの夜。撮ったままのJPEG(ISO25600)。
DxO PhotoLabで現像したハウステンボス ホテルヨーロッパの夜景(DeepPRIME適用後)
同じ一枚を、DxO PhotoLab で現像(DeepPRIME)。
富士フイルムX-Transの高感度ノイズをDeepPRIME現像で除去した、時計塔まわりの拡大比較(上が現像前、下が現像後)
時計塔のまわりを拡大したところ。上が現像前、下が現像後。

この写真が、いい写真だとは、決して思いません。
でも、フォトラボを導入するには、十分すぎる一枚でした。

— 少し、寄り道を —

じつは、この日はさんざんな一日でした。

中国地方が大雨で、高速道路を途中で降ろされ、下道を走り、小さな子どもたちも、荷物を背負って、走って走って、なんとか新幹線の時間に間に合った。

そう思ったら、その新幹線も、止まってしまって。

再開の見通しも立たないまま、ホームでひたすら待ちました。

動きだした電車は、通路もデッキも、人でいっぱい。

予定とは違う駅で降ろされ、そのあとの乗り継ぎも、待ち時間ばかり。

電車がどのホームに来るのかもわからず、駅員さんもいない駅で、ホームで待っているお姉さんにたずねたりして。

とにかく、大変な一日でした。

十五時着の予定が、着いたのは二十時。

それでも園は二十二時まで開いていて、子どもがどうしても行きたいと言うので、暗闇の中へ入っていきました。

夜のハウステンボスも、イルミネーションがとても綺麗で、ほんとに素敵な場所でした。

そんな夜に撮った、一枚でした。

本格的には、翌日。
大阪から来た母も合流して、朝から一日中、ハウステンボスを楽しみました。

この驚きには、じつは、続きがあります。

でもその前に、なぜ僕がこのソフトにたどり着いたのか。
すこし、昔にさかのぼらせてください。

なぜ、Lightroomを一度も使わなかったのか

RAW現像といえば、Lightroom。
写真の世界では、それが当たり前です。

Adobe Lightroomの特徴をまとめたカタログ風イラスト
Lightroom。写真の世界の、当たり前。(イラスト)

YouTubeで現像のやり方を調べても、みんな Lightroom で説明していました。

便利なのは、わかっていました。
それでも、僕は一度も使いませんでした。

意識して、避けてきたのです。

理由は、サブスクリプション。
毎月、お金を払い続ける、あの仕組みです。

じつは昔、苦い経験がありました。

— 少し、寄り道を —

ずいぶん前のこと。
「無料ですから」と言われて、小さな箱を持ち帰らされたことがありました。

テレビにつなぐと、ネットの動画が見られる、という箱です。

一度つないだきり、使いませんでした。

それなのに、毎月三千円ほどが、クレジットカードから引き落とされていた。

そのあと転勤があって、引っ越しのどさくさで、その箱ごと、失くしてしまって。

気づいたときには、七年分。
失くした箱の代金と合わせると、支払った額は 30万円 を超えていました。

何のサービスも、使わないままに。

それ以来、僕は「気づいたら払っている」ものを、こころのどこかで避けて生きてきました。

だから、月々払いしか選べなくなっていた Lightroom は、僕の選択肢から、静かに外れていったのです。

ソフトの出来の問題ではありません。
ただ、僕という人間に、サブスクが合わなかった。
それだけのことです。

ひろし

サブスクが悪い、という話ではないんです。ただ僕は、気づいたら払っていた、あの感覚が、こわい。

フィルムから始まった、富士との長い時間

僕のカメラは、ずっと富士フイルムです。

はじまりは、フィルム。
父から譲られた FUJICA ST801 という一台で、二十代のころに撮りはじめました。

FUJICA ST801のカタログ風イラスト(1974年・フィルム一眼レフ)
FUJICA ST801。父から譲られた、最初の一台。(イラスト)

だから僕にとって「現像」は、長いあいだ、暗室や、写真屋さんの仕事でした。
自分でパソコンの前に座って写真を仕上げる、なんて日が来るとは、思っていなかった。

フィルム代も、現像代も、じわじわ高くなって。
三十歳のころ、はじめてデジタルカメラを買いました。

最初は、リコーの GR Digital III。
スナップが好きだったので選んだのに、すぐ手放しました。

電源を入れるとレンズがせり出すこと。
そして、ファインダーがなかったこと。
その二つが、僕には合わなかった。

リコーGR Digital IIIのカタログ風イラスト(2009年・コンパクトデジタルカメラ)
リコー GR Digital III。はじめてのデジタル。(イラスト)

次に選んだのが、富士の X10。
レンズをひねると電源が入って、そのままズームになる。ファインダーの見え方も、ズームに連動する。おもしろいカメラでした。

富士フイルムX10のカタログ風イラスト(2011年・プレミアムコンパクト)
富士フイルム X10。富士との付き合いが、ここから。(イラスト)

それから、ずっと欲しかった X100S。
レンジファインダーと電子ファインダーが、レバー一本で切り替わる一台です。

富士フイルムX100Sのカタログ風イラスト(2013年)
X100S。ずっと欲しかった一台。(イラスト)

やがて、X-T1。

じつは、このときは富士でなくてもいいと思っていて。他社の一眼レフや、ミラーレスとも、ずいぶん見比べました。

当時の一眼レフは、僕には大きすぎた。
理想は、フィルム時代に使っていたニコンの FM2 くらいのサイズだったんです。

最後の決め手になったのは、クラシックなダイヤルと、FM2 に似た見た目でした。

シャッタースピードのダイヤル、感度のダイヤル、レンズの絞りリング。
フィルム時代の指の記憶に、そのままはまりました。

富士フイルムX-T1のカタログ風イラスト(2014年・ミラーレス一眼)
X-T1。フィルム時代の指の記憶に、はまった。(イラスト)

そのあとは、X-Pro2 と X-T3 の二台使い。
広角と望遠、レンズを一本ずつ付けっぱなしにしていました。

富士フイルムX-Pro2のカタログ風イラスト(2016年)
富士フイルムX-T3のカタログ風イラスト(2018年)

X-Pro2 と X-T3。二台使いの時代。(イラスト)

いまは、X-T5、X-Pro3、X-H2S の三台です。

富士フイルムX-T5のカタログ風イラスト(2022年)
富士フイルムX-Pro3のカタログ風イラスト(2019年)
富士フイルムX-H2Sのカタログ風イラスト(2022年)

いまの三台。X-T5、X-Pro3、X-H2S。(イラスト)

カメラを選ぶとき、僕にはひとつだけ、譲れない条件があります。
防塵防滴であること。

ちょっとした雨なら、傘をささずに歩き回るので。
カメラを、出したりしまったりしたくないんです。

どう担いで持ち歩くかは、カメラストラップの選び方という記事に書きました。

料理人が普段使う富士フイルムのカメラ2台(XF16-55mmとXF50-140mm望遠)とジンバルカメラ
普段使っている富士の機材。左が標準ズーム(XF16-55mm)、右が望遠(XF50-140mm)、中央は Osmo Pocket 3。

この富士の機材で料理をどう撮っているかは、料理写真におすすめのカメラとレンズにまとめています。写真の中央に写っている小さな一台、DJI Osmo Pocket 3のことも、別の記事に書きました。

ひとつ、書き忘れていました。

子どもが生まれてから、僕がカメラに求めてきたのは、AF。
ピントの、速さと、正確さです。

裏を返せば、それ以外の部分では、富士のカメラは、僕にとってほぼ完璧でした。
色も、操作も、持ち歩きの気軽さも。

だから、僕がボディを買い替えてきた理由は、ほとんどAFのためです。
動きだした子どもを、もっとちゃんと追いたい。
ただ、それだけでした。

子どもが、RAWへ連れて行ってくれた

X100S や X-T1 のころ、僕はずっと JPEG撮って出しでした。

富士の色が好きで、撮ったそのままで満足していた。
フィルムの感覚のまま、あとから写真をいじる、という発想が、そもそもなかったんです。

それが変わったのは、子どものおかげです。

動きはじめると、その瞬間を、手動の露出では追いきれない。
フルオートにしても、しっくりこない。

あとから JPEG で明るさを直そうとしても、いい結果にはならなかった。

子どもは、待ってくれません。
待ってほしい、とも思っていませんでした。

かしこまった記念写真より、自然な瞬間を残したかった。

それで、RAW(撮ったままの、あとから直せる情報がたっぷり残ったデータ)と JPEG の両方で撮るようになりました。
あとから、ちゃんと直せるように。

ひろし

子どもに「もう一回そこ立って」とは、言いたくなかったんです。その一回きりの表情を、残したかった。

現像ソフトを、渡り歩いた

そこから、買い切りのソフトを探す旅がはじまりました。

最初に使ったのは、Luminar。
3を買って、すぐに4が出た。買い切りで、八千円くらい。当時としては新しいAIの補正が入っていて、いろいろできて、楽しかった。

Luminar 4の特徴をまとめたカタログ風イラスト
Luminar 4。はじめてのRAW現像ソフト。(イラスト)

ただ、いろいろできるぶん、やりすぎてしまうんです。

Luminar 4で現像した、レトロな店先の写真(富士フイルムX-T1)
Luminarで現像した一枚(2016年ごろ)。

次に、富士純正の X RAW STUDIO。
フィルムシミュレーションをあとから変えられる。撮って出しと、同じ色で仕上がる。
良さそうな仕組みでした。

富士フイルム純正のRAW現像ソフトX RAW STUDIOのカタログ風イラスト(無料・USB接続式・カメラの映像エンジンで現像)
X RAW STUDIO。カメラの中身を、そのまま借りるソフト。(イラスト)

ただ、このソフトには、大きな弱点がありました。
その写真を撮ったカメラを、パソコンにつないでいないと現像できないんです。
カメラの中の処理装置を、そのまま借りて使う仕組みだから。

僕は、複数台のカメラを使い分けています。
X-T5で撮った写真は X-T5、X-Pro3で撮った写真は X-Pro3をつなぐ。
そのたびに配線を差し替えて……というのは、僕にはあまりに、遠回りでした。

すぐに、離れました。

そのあとに出会ったのが、Capture One。
富士ユーザーが無料で使える版があったんです。

Capture Oneの特徴をまとめたカタログ風イラスト
Capture One。富士の色に、いちばん近かった。(イラスト)

これは、驚きました。

RAWを読み込んだ、その最初の状態が、Luminar とはまるで違う。
繊細で、はじめから富士の色に近い。

だから、露出とトーンくらいしか触らなくなって、仕上がりが自然になりました。
しばらく、これが主役でした。

ただ、ひとつだけ、どうしても合わないところがあって。
「カタログ」という仕組みです。

写真を登録するたびにカタログのファイルができて、増えるほど重くなる。
どのカタログに何が入っているのか、だんだん分からなくなる。

僕の写真の並べ方と、うまく噛み合いませんでした。

Capture Oneで現像した、菜の花の一本道(富士フイルムX-T3)
Capture Oneで現像した、牛のいる田園風景(富士フイルム)
Capture Oneで現像した、モノクロの森(富士フイルムX100S)

Capture Oneで現像した写真。富士の色に近く、繊細に仕上がる。

— 現像ソフトを、渡り歩いた —

1 Luminar 3 → 4/買い切り 約8,000円

はじめてのRAW現像。いろいろできて楽しいけれど、つい、やりすぎてしまう。

2 Fujifilm X RAW STUDIO/純正・無料

カメラをパソコンにつながないと現像できず、すぐに離れる。

3 Capture One Express/富士ユーザーは無料

富士の色に近く、繊細。でも「カタログ」の仕組みが、重かった。

4 DxO PhotoLab 8 → 9/買い切り(Elite ¥29,900)

フォルダを直接ひらける。そして、DeepPRIME。——いま、ここ。

DxO PhotoLabに、たどり着いた

DxO という会社の名前は、昔から知っていました。
レンズの解析でよく知られた会社です。

でも、現像ソフトの PhotoLab そのものには、あまり注目していませんでした。

きっかけは、PureRAW(ピュアロー)という別のソフトです。
RAWを変換するときに、ノイズを取ってくれる。それを知って、試してみたくなった。

DxO PureRAW 4の特徴をまとめたカタログ風イラスト
DxO PureRAW。PhotoLabを知る、きっかけ。(イラスト)

ただ、調べてみると、変換したファイルが、元の倍くらいの大きさになる。
ひと手間かかるうえに、データもかさばる。どうしようかな、と思っていました。

そんなときに知ったのが、PhotoLab 8 でした。

DxO PhotoLabの特徴をまとめたカタログ風イラスト
DxO PhotoLab。たどり着いた現像ソフト。(イラスト)

PhotoLab には、その PureRAW と同じノイズ除去が、はじめから入っている。
ボタンを押せば、現像と同時に効く。わざわざ変換して、倍のファイルを抱える必要がない。

しかも、買い切り。

— PhotoLab を選んだ理由 —

  • 買い切り。月々の支払いは、ありません
  • カタログを作らず、フォルダをそのまま開ける
  • DeepPRIME が、富士のノイズを自然に消してくれる
  • レンズ補正のデータ量は、他社の追随を許さない
  • PureRAWの効果を、変換の手間なしで得られる

そのなかでも、いちばん惹かれた理由は、ふたつでした。

ひとつめは、カタログを作らずに、フォルダをそのまま見られること。

僕は、年のフォルダの中に月、月の中にイベント、という並べ方で写真を管理しています。
PhotoLab は、そのフォルダを、直接のぞきに行ってくれる。シンプルで、気に入りました。

ふたつめが、DeepPRIME(ディープ・プライム)というノイズ除去です。

富士のカメラは、APS-C という少し小さめのセンサーを使っています。
そのぶん、暗い場所で感度を上げると、どうしてもノイズが出やすい。

「まあ、これくらいは仕方ない」と、あきらめていた部分でした。

ところが、DeepPRIME をかけると、そのノイズが、自然に消える。
のっぺりもしない。いかにも「ノイズを消しました」という、あの絵にもならない。
ノイズだけが、そっと抜けていくんです。

無料で試せる期間があったので、使ってみました。
二、三日で、買うことを決めていました。

DxO という会社は、レンズを測ったデータの量が、かなりのものです。
だからレンズの補正は、いちばん信頼している、と使っていて感じます。

DxO PhotoLab 9の現像画面。ハウステンボスのフォルダをそのまま開き、DeepPRIME XD3で現像しているところ
DxO PhotoLab の現像画面。カタログを作らず、フォルダをそのまま開いているところ。

そして、冒頭の、あの夜の話に戻ります。

じつは、あの夜に使っていた PhotoLab 8 は、富士の X-Trans(エックストランス)というセンサーに、「正式には」対応していませんでした。

使うことは、できた。
でも、正式に対応をうたっていたわけではない。

だから、正直、そこまで期待していなかったんです。

期待していなかったからこそ、あの結果に、よけいに驚いてしまった。

「正式に対応したものは、いったいどれだけ凄いんだろう」

そう思って、いまの PhotoLab 9 に乗り換えました。

PhotoLab 9 では、DeepPRIME が富士の X-Trans に正式対応しています(2026年7月の時点での、最新版です)。

ひろし

消えるわけがない、と思っていたノイズでした。だから、よけいに。

じつは、この記事を書きながら、あの夜の写真を一枚、現像し直してみました。

木々のあいだから、ホテルを見上げたカット。
あの夜でいちばん感度を上げた、ISO51200。五万超えです。

ISO51200で撮った夜のホテルヨーロッパを、2年後にDxO PhotoLab 9で現像し直した前後比較(上が現像前、下が現像後)
木々のあいだから見上げたホテル。上が現像前、下が現像後(ISO51200)。

いちばん驚いたのは、木の葉っぱです。
ノイズで崩壊して、もやのようになっていた葉が——

ISO51200の高感度ノイズで崩れていた木の葉が、DeepPRIME現像で葉の形に戻った拡大比較
葉っぱの部分を拡大したところ。上が現像前、下が現像後。

ちゃんと、葉っぱの形に、戻ってきました。

撮ってから、2年。
道具が育つと、昔の写真まで、きれいになっていく。
買い切りのソフトと長く付き合うということは、こういうことなのかもしれません。

最後に、あの夜と翌日の写真を、すこしだけ並べておきます。
タップすると、大きく見られます。

夜のハウステンボス、暗い館内の階段をのぼる子どもたちの後ろ姿(DxOで現像)
夜のハウステンボス、ライトアップされた宮殿と庭園(DxOで現像)
ハウステンボスの虹色のイルミネーションの道(DxOで現像)
柵ごしに花火を見上げる子どもの後ろ姿(DxOで現像)
青い光の部屋で遊ぶ子どもたちのシルエット(DxOで現像)
ハウステンボスの装飾オルガン(DxOで現像)
風車と花畑、昼のハウステンボス(DxOで現像)
アーチ越しに夕方の港を眺める子どもたちの後ろ姿(DxOで現像)
ホテルから見た朝焼けの街と海(DxOで現像)

あの夜と、翌日のハウステンボス。(すべてDxOで現像)

運動会の、暗い体育館で

DeepPRIME に助けられているのは、旅先の夜だけではありません。

子どもの運動会が、最近は室内で開かれることも増えました。
体育館や、出雲ドーム。屋根があるぶん、中は暗いんです。

子どもは動くので、シャッタースピードは稼ぎたい。
でも、遠くを撮る望遠のズーム(XF100-400mm)は、もともと明るくありません。
保育園のうちはよかったのですが、小学校にあがると会場が広くて、そこに1.4倍のテレコンバーター(もっと遠くを写すための補助レンズ)を足して、なんとか届かせています。そのぶん、レンズはさらに暗くなる。
そうなると、感度を上げるしかなくて、ノイズが出る。

動く被写体。暗い場所。暗い望遠レンズ。
この三つが重なる場面を、DeepPRIME が救ってくれました。

夜景の、じっとした暗さとは、また種類の違う難しさです。
それでも、きちんと効いてくれる。守備範囲の広さに、あらためて感心しました。

料理の写真も、じつは、お店の中は暗いことが多い。
三脚を立てられない現場で感度を上げても、DeepPRIME があると、安心して撮れます。

室内ドームの運動会で、XF100-400mm望遠で撮った子どもの後ろ姿(緑ゼッケン)
運動会は、いまはドームの中。遠くの我が子を、望遠で。
ドーム運動会で友だちと手をつないで走る子どもの後ろ姿(ゼッケン2・DxOで現像)
ドーム運動会でフープを回しながら走る子どもの後ろ姿(ゼッケン8・DxOで現像)

ゼッケン2と、ゼッケン8。うちの子たちの後ろ姿。(すべてDxOで現像)

* * *

いまの、僕のやり方

いまのパソコンは、Mac mini(M4 Pro)。
以前は 2018年モデルの MacBook Pro を使っていて、さすがに現像の速さに不満が出てきていましたが、いまは気になりません。

写真を選ぶのは、Photo Mechanic 6 という別のソフトです。これも買い切りで、一万五千円くらいでした。

写真セレクトソフトPhoto Mechanic 6のカタログ風イラスト(高速表示・星付け・一括リネーム・買い切り約15,000円)
Photo Mechanic 6。選ぶことに徹した、下ごしらえのソフト。(イラスト)

とにかく、表示が速い。RAWでも、めくるように見られます。
数字のキーを押すだけで、写真に星をつけていける。

僕の場合は、こんなふうに分けています。

  •  ピンボケや、失敗した一枚
  • ★★ とりあえず写っている一枚
  • ★★★ ちゃんと撮れている一枚
  • ★★★★ 現像したい一枚
  • ★★★★★ 現像し終えた一枚

ファイル名も、一発で付け替えます。カメラの名前と、撮った年月日と時分秒に。
富士のカメラは、番号が9999でひとまわりして戻るので、二台使いだと、名前がぶつかることがあるんです。それを避けるためです。

流れは、こうです。

  1. 撮る
  2. Photo Mechanic 6 で、星をつけて選ぶ
  3. 「4」をつけた写真を、ボタンひとつで PhotoLab 9 へ送る
  4. 自分で作った「富士フイルム用のプリセット」を、全部のRAWにあてる
  5. あとは、微調整だけ

プリセットを作っているのは、PhotoLab は最初に出てくる色味が、僕の好みと少し違うからです。
Capture One は、はじめから富士の色に近かった。そのぶんの、ひと手間です。

微調整は、ほとんど露出補正だけ。
ものによって、たまにハイライトやシャドウ。

正直に言うと、クロップ(切り抜き)と、水平の調整も、することがあります。
必要なときだけ、ですが。

撮るときは、瞬間を優先しているから。
構図まで気が回らないときもあるし、ズームなんてしている暇がない瞬間もある。
そこは、あとから直せばいい。そう割り切っています。

色は、富士の ASTIA(アスティア)が好きなので、いじることは、ほとんどありません。

Luminar のころは、いじるのが楽しくて、やりすぎていました。
いまは、微調整だけ。

不思議なもので、あとから見返すと、そのほうが自然でいいんです。

触らないことの価値を、道具のほうが、僕に教えてくれました。

値段の話(2026年7月時点)

お金の話も、正直にしておきます。
数字は、2026年7月の時点のものです。

いちばん大事なことから。
DxO PhotoLab は、買い切りです。一度買えば、月々の支払いはありません。

種類は、Essential と Elite のふたつ。

ここで、富士フイルムを使う方に、ひとつだけ大事なこと。
あの DeepPRIME を富士の X-Trans で使うには、上の Elite が必要です。
安いほうの Essential では、そこが使えません。

僕が使っているのも、Elite です。

種類 値段(買い切り) 富士 X-Trans の高感度ノイズ除去(DeepPRIME)
Essential ¥18,900 使えない
Elite ¥29,900 使える(僕はこちら)

「Lightroom と、どっちが得なの?」と思う方もいるかもしれません。

数字だけ、そっと置いておきます。

DxO PhotoLab 9 Elite Adobe フォトプラン(Lr+Ps+1TB)
払い方 買い切り 毎年(サブスク)
1年で ¥29,900 ¥28,480
2年で ¥29,900 のまま 約¥56,960

1年では、ほぼ同じ。
でも2年目からは、差が開いていきます。

(Adobe には値上げの傾向もあるので、この数字は、変わるかもしれません。Lightroom 単体の、もっと安いプランもあります。)

ただ、どちらが得かは、使い方しだいです。

Lightroom は、たくさんの人が使うぶん、情報も多くて、便利なところもたくさんあります。
ここは、読む人それぞれで、決めてもらえたらと思います。

買い切りのいいところは、次のバージョンを「見てから決められる」ことです。
いらなければ、いまのを使い続ければいい。
その自由が、僕には合っています。

買い方

DxO PhotoLab には、30日間の無料体験があります。
クレジットカードの登録も、いりません。

僕自身、体験版で驚いて、そのまま買った人間です。
気になる方は、まず手持ちのRAWで試してみてほしい。

DxO PhotoLab 公式ストア(日本語)

DxO PhotoLab を公式ストアで見る(30日間 無料体験・日本語)

富士フイルムをお使いの方は、DeepPRIME が使える Elite を。迷ったら、まず30日、無料で試してみてください。

それから、もうひとつ。
いま、お気に入りの現像ソフトがある方でも。
いや、そういう方にこそ、DxO PureRAW(公式サイト・日本語)だけでも、試してみてほしいです。

いつものソフトはそのまま、ノイズ除去とレンズ補正だけを、前処理として DxO に任せる。
そういう使い方ができるソフトです。

昔の PureRAW は、変換するとファイルが元の倍ほどに膨らむのが弱点でした。
でも、2026年3月に出た PureRAW 6 は、新しい圧縮で、そこを克服。
それどころか、変換後のほうが、元のRAWより小さくなることさえあります。

最新のノイズ除去(DeepPRIME XD3)は、富士以外のカメラにも対応しました。
買い切りで ¥18,900。こちらは14日間の無料体験があります。

……と、すすめておいて、あれなんですが。
じつは、PhotoLab には、この PureRAW と同じものが、はじめから入っています。
PhotoLab(Elite)は、買い切りで ¥29,900。
一万円ほど足せば、ノイズ除去だけでなく、現像まで、ぜんぶできてしまう。
だから僕は、PhotoLab を選びました。

写真選びに使っている Photo Mechanic のほうは、Camera Bits の公式サイト(英語)から。
僕が買った「6」は、いまはもう売っていません。
現行版はサブスクリプション(年149ドル)が中心で、買い切り(299ドル・無料アップデートは1年間)も選べます。
こちらも、30日の無料体験があります。

まとめ

Lightroom を一度も使わないまま、僕は DxO PhotoLab にたどり着きました。

サブスクへの、遠い日の後悔。
フィルムからつづく、富士との時間。
子どもが連れて行ってくれた、RAW現像。

そして、あの雨の夜。
諦めていたノイズが、消えた瞬間。

DxO PhotoLab が、誰にとっても一番だ、と言うつもりはありません。
道具に、みんな共通の正解は、たぶん、ないからです。

あるのは、その人の撮り方に、合うか、合わないか。
僕の場合は、それが DxO PhotoLab だった。
それだけのことです。

ただ、自分に合う道具に出会うと、写真との付き合い方まで、静かに変わります。

撮って、ほんの少し整えて、あとは触らない。
その静かな流れが、いまの僕には、いちばん合っています。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、おやすみなさい。

今日の一曲

今日の一曲は、斉藤和義「歩いて帰ろう」

写真の道具を探して、ずいぶん遠回りをしました。
それでも、その遠回りが、いまの一枚につながっている。
遠回りしても、ちゃんと帰り着ける。
そんなふうに、背中を押してくれる歌です。

走る街を見下ろして
のんびり雲が泳いでく
誰にも言えないことは
どうすりゃいいの?おしえて

急ぐ人にあやつられ
右も左も同じ顔
寄り道なんかしてたら
置いてかれるよ すぐに

嘘でごまかして
過ごしてしまえば
たのみもしないのに
同じ様な朝が来る

走る街を見下ろして
のんびり雲が泳いでく
だから歩いて帰ろう
今日は歩いて帰ろう