和包丁おすすめ|出雲と大阪、3人の鍛冶屋に特注した料理人の話
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洋と和、量産品と特注
前編の Misono は、量産品でした。 どこの料理人でも買えて、どこの台所でも使える。 20年使ったぼくにとって、それは合理的で、ありがたい相棒でした。 今日の話は、その対極にある世界です。 特注の、和包丁。 土地と、人と、時間が絡む、3本の刃物の話です。両刃と片刃、たったそれだけのちがい
イタリア料理と、日本料理。 遠く離れているようで、ひとつだけ、確かに重なるものがあります。 生魚です。 イタリア語で「カルパッチョ」というのは、もともと「薄切り」という意味で。 生魚も、生肉も、ぜんぶ含みます。 だから、ぼくの仕事の中にも、ずっと、魚を捌いて、薄く引く作業がありました。 そこで使っていたのが、筋引きでした。 洋包丁の中でも、薄刃の細身の一本。3枚や5枚におろすときは短めの、刺身に引くときは長めの筋引き。 何年も、それでやってきました。 でも、いつも、どこかで、ずっと思っていたのです。 「和食屋さんの刺身みたいには、ならないなあ」と。 うすうす、包丁の「しくみ」がちがうんだろう、と感じてはいて—— でも、なかなか、買うまでには至らなかった。 洋包丁は、基本「両刃」。 和包丁は、基本「片刃」。 たったそれだけの違いだったのです。 でも、これが、とても大きな違いでした。 両刃は、刃が両側から斜めに出ている。 片刃は、片方はまっすぐ(正確には、ほんの少しだけ反っている)で、もう片方だけが、斜めになっている。
2016年、出雲に来てから
ぼくは大阪で生まれて、北陸3県と新潟で、10年以上、料理を学びました。 洋包丁の現場で、ずっとやってきた20代でした。 2016年の初め、島根県の雲南市に移住しました。 ワイナリー専属のシェフとして、出雲という新しい土地で、新しい時間が始まりました。 翌2017年、当時の市役所員だった、いまの妻と出会います。 結婚も、その年でした。 そこから、ふしぎと、和包丁との関係が始まっていきました。1本目|出雲・高橋鍛冶屋の両刃 27cm(特注)


2本目|大阪・實光刃物の柳刃 1尺1寸(2018年・特注)


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3本目|出雲・石見岡光刃物の出刃(2019年)



和包丁を持つということ
量産品(前編の Misono)と、特注(後編の和包丁)。 どちらが優れている、という話ではありません。 Misono は、毎日の現場を、合理的に支えてくれる相棒。 鍛冶屋の和包丁は、ぼくと土地の物語を、ひとつの刃に閉じ込めた、特別な道具。 両方が、台所の主役です。 ふと思うのは、料理人と鍛冶屋は、似た仕事をしている、ということ。 職人さんは、熱した金属を、ハンマーで叩いて、刃を作る。 ぼくたち料理人は、その刃を、毎日研いで、使い続ける。 「叩いて作る」と「研いで使う」。 どちらも、長い時間と、繰り返しのなかで、ものを育てていく仕事です。最後にひとつ、研ぐ話を — 経ってからたどりついた本質


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この「面直し」の気づきは、そのあと一本の記事になりました。教わってもしっくりこなかった歳月と、家庭は砥石ふたつで十分、という結論まで。
包丁研ぎは、失敗しても、やり直せる
包丁研ぎは、失敗しても、やり直せる
この記事で紹介したもの
この記事に出てきたものを、まとめておきます。
押すと、その説明のところまで戻ります。買うところではなく、まず説明を読んでもらえたらうれしいです。
包丁
大阪・實光刃物の柳刃。白二の1尺1寸實光包丁 柳刃 白二 330mm↓研ぐ道具
中砥。まずこれ1枚キングデラックス No.1000↓砥石の面を平らに戻す貝印 面直し用砥石↓和包丁の仕上げに。#12000シャプトン セラミック砥石 M15 #12000↓あわせて読みたい
包丁シリーズの前編。Misono の話。 ↓ 【3千円のペティナイフから始まった】20年イタリアンの料理人が、家で本当に使ってる Misono の包丁たち 同じ「プロが家で本当に使ってる」シリーズ。 ↓ 【プロが家で本当に使ってる】20年イタリアンの料理人が、家計赤字8万円でも続けてる「毎日のオリーブオイル」3本 【20年イタリアンの料理人が選んだ】料理写真を逆光で撮るカメラ|FUJIFILM X-H2S と相棒レンズ3本今日の1曲
今日の1曲は、忌野清志郎の「世界中の人に自慢したいよ」。 清志郎さんが、自分の娘さんに向けて、まっすぐ書いた歌です。 包丁の話と、つながるのかは、わからないけれど。 でも、今日はこの曲を聴きながら、ずっと書いていました。 3人の鍛冶屋に出会えたこと。 出雲という土地で、ちゃんと人と縁を結べたこと。 妻と、こどもと、自分のちいさなお店があること。 20年、料理人をつづけてこれたこと。 ぜんぶ、ぼくの、ちいさな自慢です。 清志郎さんの声で聴くと、その気持ちが、もう一度、まっすぐに、かえってきます。その気持ちが、いちばんまっすぐ出ているのが、この一行です。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。 それでは、おやすみなさい。 📷 La Feniceのケータリング・イベント出店のご依頼は 公式サイト から。Instagram でも料理の写真を、monocromia でぼくの個人アカウントもどうぞ。きみとふたり 暮らせるのなら 他に何もいらない
忌野清志郎「世界中の人に自慢したいよ」(作詞・作曲 忌野清志郎)より
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